沖縄で相続時にトラブルが多発する家族☆5つの共通点
2021/11/6
沖縄では相続トラブルもしばしば見受けますが、誰でもできる限り、兄弟や親族と揉めたくはないですよね。そのためには両親が元気なうちから、亡き後の心構えがポイントです。
全国的にも沖縄でも、事前に相続に対する心構えがないことで、「そんなはずじゃなかったのに!」と抗議が起きて、気付けばトラブルが起きてしまった事例は数多くあります。
ですから数多くの沖縄の相続トラブル事例を参考にして、例え「実家が残るくらい」の少ない遺産であっても(だからこそ)、事前に理解しておくと良いでしょう。
そこで今回は、沖縄で相続時に起きた数々のトラブルに見る共通点、5つの事柄をお伝えします。意外な共通点も見受けるため、この機会に参考にしてみてはいかがでしょうか。
沖縄で相続時にトラブルが多発する家族☆
5つの共通点
相続財産が少ない家族
全国的にも沖縄でも、相続財産が多い資産家一族よりも、そもそも相続財産が少ない家庭でトラブルが起きやすい傾向です。
沖縄の相続財産が少ないケースでは、実家などの不動産がメインなために平等に分けにくいことも背景にありますが、それ以上に、相続財産が少ないがために、自分亡き後の相続トラブルを見越していなかったのではないでしょうか。
【 沖縄の相続☆財産が少ないほどトラブル多発 】
● 全国的なデータですが、2013年に裁判所で調停まで発展したトラブル案件は、圧倒的に相続財産5,000万円以下が多いです。
・相続財産5,000万円以下→6,700件
・相続財産5,000万円以上→1,684件
※ 現金でイメージすると5,000万円でも沖縄では「相続財産は充分にある方では?」と感じる方も多いですが、実際には不動産(実家)を一件相続するに近い金額とも言えます。
実際に沖縄では相続財産5,000万円以下の家庭で、両親の相続対策がなかった(遺言や生前贈与、終活による意志伝達など)ケースは多い傾向です。
子ども達も沖縄では相続財産が多いと事前に対策を打ったり、心構えができていたりします。
一方、相続財産が5,000万円以下の家庭では、「特に遺産なんて残していないから…。」と、両親が闘病をしていても、亡き後の相続まで真剣には考えていなかった…、との声が多い傾向です。
沖縄で両親の相続対策がなかった
沖縄では両親が相続財産が少ないために、特別な対策を施していなかったためにトラブルが起きる事例は多くあります。沖縄の両親としても相続財産自体が少ないのにもめないと思ったのでしょう。
けれども沖縄の相続トラブルの多くは、金銭面の言い分よりも、「私が一番、両親に尽くして来たのに!」など、感情的な側面が目立ちます。
やはり子どもはいつまでも子どもとしての気持ちが残っているのではないでしょうか。
【 沖縄の相続☆両親の相続対策 】
● 沖縄の相続では「両親の意志がハッキリしている」ほど、スムーズに手続きが進む傾向です。ですから、下記のような対策はスムーズな相続に有効でしょう。
(1) 遺言書 … 遺言書は意志を示す最も法的に有効な手段です。簡易的な自筆証書遺言や、より法的な効力を持つ公正証書遺言、相続者が内容を知らされない秘密証書遺言があります。
(2) 終活など、生前に自分の意志を示す … 遺言書ほど法的な能力はありませんが、終活ノートなどに意志を示す方法です。子どもそれぞれに手紙を書くなど、より感情面をケアできます。
(3) 生前贈与 … 子どもそれぞれに両親の意志で生前に贈与しますが、非課税枠が発生するのは住宅取得時や孫の教育資金など、贈与目的や要件が伴うのが特徴です。子ども名義の口座で貯蓄する「暦年贈与」も良いでしょう。
生前贈与などは非課税枠もあるため、沖縄では相続税対策としても用いられています。
ただ全国的には終活が注目されるなど、高齢者が「死」に対して前向きに対処する新しい流れが産まれていますが、沖縄では相続など「死」を連想させる話し合い自体がタブーになっている家もありますよね。
ですから、沖縄で両親へ生前の相続対策の話をするのは、慎重に進めた方が良さそうです。
【 沖縄の相続☆親に迫るタブー 】
● 例えばいくら沖縄で相続トラブルを避けるためとはいえ、元気な両親に「今のうちに遺言書を書いて!」などと打診するのは、返ってトラブルになる危険性があります。
反対に子どもが消極的なのに高齢の両親が積極的に終活を進めている家庭があるなど、親を交えた沖縄の相続対策は、その家により千差万別です。その家々に合わせて柔軟に対応してください。
※子どもができる沖縄の将来的な相続対策については別記事「【沖縄の実家相続問題】親の生前から心掛けたい対策とは」でお伝えしています。
生前贈与に関しても別記事「【沖縄の実家相続問題】相続税を少しでも下げる生前贈与」でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
親の介護をした兄弟の不平等
沖縄の相続トラブルが多い事例として、両親の生前に介護を必要としたケースです。
特に兄弟の一人が主に介護に当たった場合、沖縄では相続時に「あんなに頑張ったのに、他の兄弟とほとんど一緒?」と不満を抱くケースを多く見受けます。
島国沖縄では兄弟が独立して本州で住んでいることも多く、残された一人がずっと介護をしてきて、そのために自由に移転できなかった…、自由を奪われた…、と考えてしまうケースも少なくありません。
けれども現在の日本では、介護をしていてもそれほど相続時に日の目を見る法律ではないからです。
【 沖縄の相続☆介護の苦労と比例しない 】
● 現在、日本の民放ではいくら介護で苦労をしていたとしても、相続時には「寄与分」しか分配されません。
→ この「寄与分」は日々の介護と、介護によって犠牲になったさまざまな事柄と比較すると少ない配分と感じる人々がほとんどです。
ですから両親が介護を必要としていて、兄弟の誰かが献身的に介護を行っていたのならば、兄弟間で話し合い、その苦労に見合った配分にしたいものですが、そもそも「誰が介護をするか」の時点で揉めていたケースは少なくありません。
沖縄の相続では金額や配分よりも感情的なトラブルが多い傾向ですが、「両親の介護時にあれだけ我がままを言われて、自分が犠牲になったのに、どうして兄弟ばっかり得をするの?」と、不平等さが感情として現れ、トラブルを引き起こす事例は多いのです。
生前、両親の援助が兄弟間で違う
沖縄の相続では、この感情的な兄弟間トラブルを引き起こす遠因として、生前に両親が兄弟間でそれぞれに平等な援助をしていなかった…、と言うケースは意外にも多くあります。
全国的には薄れつつあるものの、トートーメー信仰が深い沖縄では長男継承や本家・分家の意識が強い家も多いです。
【 沖縄の相続☆両親の援助が不平等 】
● 生前に両親から平等な援助が行われていなかった場合、「生前にあれだけ良い思いをしたのに、ここでももらおうと思ってるわけ?」と、沖縄では相続時に兄弟間トラブルが勃発することがあります。
→ 例えば、生前贈与にも当たる孫の教育資金援助や新築時の住宅取得資金の贈与などです。
沖縄の相続では(本来は長兄が継承するとされるものの)、両親と同居していた次男が「負の負担」とも言われるお墓を引き継ぎ、本州に住んでいる長兄が沖縄の実家や遺産を相続したとして、トラブルが起きた事例もありました。
兄弟間がそもそも仲が悪い
このような4つの事柄が沖縄で最も相続トラブルを引き起こす共通項ですが、裁判の調停までもつれた場合、そもそも兄弟間、しいては家族仲が悪かった事例が多くあります。
ここまでお伝えしてきたなかでも、気付いた方は多くいたのではないでしょうか。
介護問題に関してもお互いの配慮があれば気付く事柄ですし、両親の援助が兄弟間で不平等になることは、兄弟間トラブルの元です。
例え沖縄で相続財産が実家(不動産)のみで平等な分配が難しい事例だとしても、そもそも兄弟間で話し合う土台ができていれば、裁判の調停まで行くようなトラブルにはなりにくいとも言えます。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で多い相続トラブル5つの共通点についてお伝えしました。
①両親が相続対策をしていない②相続財産が5,000万円以下の少ない家族、③介護など親孝行への寄与分が少ない、④両親の生前援助が兄弟間で平等ではなかった、⑤そもそも兄弟間で仲が悪い、の5点を上げています。
並べてみると沖縄で相続財産が少ない事例は不動産が多く分配しにくいと言う、具体的な問題がありますが、その他は全て「感情的」な部分が垣間見えるのではないでしょうか。
ですから両親は兄弟間が良好であるよう配慮するとともに、兄弟間でも日ごろからお互いにケアし合い、良い関係性を築くことこそが、最も大切な沖縄での相続対策なのかもしれません。
※また、両親ができる相続対策については別記事「【沖縄の実家相続】被相続人(親)が生前にできる対策とは」でお伝えしますので、コチラも併せてご参照ください。
調停まで進む相続トラブルの共通項
・相続財産が意外に少ない(5,000万円以下)
・生前の両親の意志が分からない
・兄弟間で介護など親孝行の差が大きい
・生前、両親の援助が兄弟間で不平等
・兄弟仲がそもそも悪い