【沖縄の実家相続問題】相続税を少しでも下げる生前贈与
2021/11/24
昨今の沖縄では相続税対策を生前に進める方が増えましたよね。終活ブームも後押しするなか、特に沖縄で増えた相続税対策が生前贈与です。
「生前贈与」は名前の通り、被相続人(親など)が相続人(子など)へ生前に贈与することで財産を分配することを差します。生前に財産分配をすることで相続時に相続財産が少なくなるため、それだけ相続税が掛かりません。
ただし贈与時には贈与税が掛かりますよね。けれども目的によって非課税枠が発生するため、この非課税枠の適用がポイントです。
今回は、沖縄で増えた相続税対策「生前贈与」を進めるポイントを、概要とともにお伝えします。どうぞ参考にしてください。
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生前贈与には贈与税が掛かる
沖縄では相続税対策に生前贈与が増えましたが、贈与税は掛かります。けれども両親としては自分の死後に子どもが相続税に悩むよりも、元気なうちに贈与税の支払いまで確認できた方が安心です。
後述するように目的によって非課税枠が発生することも、沖縄では相続税対策として生前贈与が増えた背景にありますが、ここでは贈与税の計算方法からお伝えします。
【 沖縄の相続税対策☆贈与税とは 】
● (贈与額-基礎控除110万円)×税率(金額により変動)ー控除額=贈与税
※ 「贈与額」は1年間(1月1日~12月31日)に受けた金額です。
● 金額により変わる贈与税の税率
(1)~200万円
・一般→10%/控除額なし
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→10%/控除額なし
(2)~300万円
・一般→15%/控除額→10万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→15%/控除額→10万円
(3)~400万円
・一般→20%/控除額→25万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→15%/控除額→10万円
(4)~600万円
・一般→30%/控除額→65万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→20%/控除額→30万円
(5)~1000万円
・一般→40%/控除額→125万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→30%/控除額→90万円
(6)~1500万円
・一般→45%/控除額→175万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→40%/控除額→190万円
(7)~3000万円
・一般→50%/控除額→250万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→45%/控除額→265万円
(8)~4500万円
・一般→55%/控除額→400万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→50%/控除額→415万円
(9)4500万円~
・一般→55%/控除額→400万円
・20歳以上の人へ直系尊属からの贈与→55%/控除額→640万円
…非課税枠が発生する生前贈与は(A)暦年贈与(B)教育資金贈与(C)住宅取得等資金贈与の3項目ですが、これ以外の生前贈与ではこの計算に従って課税されます。
例えば、1年(1月1日~12月31日)の間に義父から500万円、兄弟から300万円もらった場合はどのような計算になるでしょうか。
【 沖縄の相続税対策☆計算例 】
● 1年(1月1日~12月31日)で、義父から500万円+兄弟から300万円、合計800万円の贈与を受けた場合の計算例
→ (500万円+300万円-基礎控除額110万円)×40%(一般税率)-125万円(控除額)=151万円
この場合は151万円の贈与税が発生します。800万円の贈与を受けたので実質的には649万円を受けたことになりますね。
沖縄で相続を受けた時には現金ではなく不動産財産を分配されることも多いです。不動産財産の場合は売却しない限り現金で手元に入る訳ではないので、相続税の支払いに悩む相続人も多いため、生前に両親が実家を売却して分配する事例も増えています。
非課税枠のある生前贈与/暦年贈与
最も堅実に沖縄でできる相続税対策が暦年贈与です。暦年贈与は目的のない贈与でも、毎年少しずつ贈与を続けることで、非課税枠が適用する生前贈与となります。
ただ、沖縄で暦年贈与による相続税対策を始めるには、方法がありますので注意をしてください。
【 沖縄の相続税対策☆暦年贈与の方法 】
● 子どもそれぞれの預貯金口座を開設し、そこに毎年入金していく贈与方法です。
・110万円/年までが非課税枠
・相続開始前3年間は課税対象になる
※ ですから、毎年子どもの預貯金口座に110万円以内ずつ貯蓄し1,000万円貯まっていて、その内300万円が相続発生前3年以内に贈与した金額だった場合は、700万円までが非課税枠として認められます。
ただし、実際に沖縄で相続税対策として暦年贈与を続けていたケースでは、「同じ金額を毎年贈与する」場合に課税対象になった事例がありました。
ですから現状、沖縄では暦年贈与の相続税対策では毎年の贈与額を変動させたり、時々非課税枠の110万円を超えた贈与額を入れて、プラス分だけ贈与税を支払う事例も増えています。
非課税枠のある生前贈与/教育資金贈与
沖縄の相続税対策で最も多い生前贈与が教育資金贈与です。2021年時点で、2021年(令和5年)3月31日まで適用期間が延びました。
教育資金贈与に対する非課税枠は1,500万円/1人ですが「1人につき」なので、3人に1,500万円を贈与すれば(条件が合っていた場合)、4,500万円もの非課税枠が適用してしまいます。
【 沖縄の相続税対策☆教育資金贈与 】
● 贈与対象者の預貯金口座を開設し、そこに一括で贈与金を入金した後、税務署に申請(金融機関にて)することで非課税枠が適用しますが、改正後はより厳格になったため、下記の点に注意をしてください。
・23歳未満、もしくは23歳以上の学生に対して非課税
・30歳未満の場合、孫であれば相続税額2割加算
・相続発生時の残高に対して相続税の課税対象
今までの沖縄では裕福層の相続税対策として教育資金贈与が行われてきましたが、ここで注意をしたいポイントは「相続発生時の残高に対して相続税の課税対象」と言う点です。
改正前は相続発生(死亡日)から3年以内の贈与に対して相続税が課税されましたが、この「3年以内」が削除されたため、いつ教育資金贈与をしても相続発生時に残高が残っていれば、そのまま相続税の課税対象になります。
非課税枠のある生前贈与/住宅取得等資金贈与
成人した子どもや孫がマイホームを新築/購入する際に資金援助をした場合も、要件を満たすと生前贈与の非課税枠が適用します。
コチラも裕福層の節税対策へ対処するために相続税法が改正されました。現在では一般的なマイホーム取得に対して(消費税10%)は1,000万円の資金援助までは非課税枠です。
【 沖縄の相続税対策☆住宅取得等資金贈与 】
● 資金援助を受け取る受贈者の資格に変更がありました。(改正前は所得2,000万円以下/床面積50㎡以上であれば非課税枠が適用しています。)
(A)
・受贈者の所得が2,000万円以下
・取得する不動産の床面積が50㎡以上
(B)
・受贈者の所得が1,000万円以下
・取得する不動産の床面積が40㎡以上
…所得によってマイホームもコンパクトになる他、近年では核家族化が進み家族構成も夫婦二人暮らしのDINKS家庭や、子ども1人の家族3人世帯も増えました。
所得制限により沖縄の裕福層の相続税対策としては制限が掛かる一方、床面積制限の緩和で、より広い層まで購入を後押しする狙いもあります。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で増えた相続税対策、生前贈与について非課税枠が適用する3つの目的を、贈与税の計算方法とともにお伝えしました。
沖縄では裕福層の相続税対策としては厳しくなった印象ですが、一般家庭で子や孫に少しでも多く残したい人々が行う沖縄の相続税対策としては、おすすめです。
特に沖縄の相続税対策では暦年贈与はあまり広がっていませんが、毎年の贈与で時間は掛かるものの、贈与に目的を持たないため、純粋な子や孫への厚意として進めやすいのではないでしょうか。
まとめ
相続税対策に役立つ生前贈与
●贈与税の計算方法
(贈与額-基礎控除)×税率ー控除額●非課税枠がある生前贈与の種類
・暦年贈与
・教育資金贈与
・住宅取得等資金贈与