相続登記した不動産を売却する☆申請と準備の流れ
2020/11/12
相続した不動産を売却するには、まず不動産の相続登記を済ませなければなりません。
「相続登記」によって名義が変わり、第三者に所有権を主張することができますが、登記を済ませていなければ名義は以前のままですので、現実的に相続した不動産でも、売却を進めるには、法的には認められません。
いつかはやってくる相続ですが、そのなかで最も複雑になりやすいのは不動産です。そして相続した不動産は売却をしてお金に変えるケースもあります。
ですから、不動産が相続の対象となった場合、まず必要なことは相続登記をして名義を変更することです。その後、不動産を売却する流れとなります。
そこで今回は、相続登記した不動産を売却する流れをお伝えします。
相続する不動産がある方、あるいはすでに不動産を相続された方は参考にしてください。
※ この記事では分かりやすくするため、単独で不動産を相続した前提で書いています。相続人が複数いる場合などは税理士など専門家への相談もおすすめです。
相続登記した不動産を売却する☆
申請と準備の流れ
不動産登記申請の流れ
相続した不動産を売却するためには、まず相続登記をしなければなりません。(相続登記をして名義変更を済ませることで、不動産は売却することが可能になります。)
相続にまつわる手続きは一般人には複雑に思えますが、相続登記申請の一番簡単な方法は司法書士に依頼することです。
司法書士は登記申請のプロなので必要書類をそろえることから申請まですべて任せることができます。
【 相続登記をして不動産を売却☆司法書士報酬 】
★ その場合、ご自身で登記申請されたときに比べて司法書士報酬や各種手数料がかかるというデメリットはあるものの、申請にかかる時間と手間を省いてくれます。
(書類準備に掛かる費用目安) 5,000円~20,000円
(司法書士へ掛かる報酬) 60,000円~100,000円
(相続登記に掛かる税金) 固定資産税評価額×0.4%
→ このように、税金と司法書士への報酬が相続登記をして不動産売却を目指す人々には少し負担が掛かりますが、税金は必ず支払わなければならない項目です。
一方、相続登記をして不動産売却を進める場合、必ずしも司法書士に依頼しなければならない訳ではありません。
手間を惜しまなければご自身での相続登記申請も可能ですので、ここで節約もできますが、よほどの理由がない限りは専門家に依頼した方が後々まで安心です。
【 相続登記後に不動産売却を進める 】
★ ご自身で相続登記申請をするにしても、司法書士に依頼するにしても売却のためにはまずは相続登記をする必要があります。
司法書士によって報酬は大きく違う?
ここで、前項では相続登記をして不動産売却を進める際、司法書士への報酬は60,000円~100,000円とお伝えしましたが、法的な規制がある訳ではないので、実は司法書士によって報酬の差が大きい側面もあります。
2018年に実施された調査によると、30,000円台からの報酬事例も多くありました。(日本司法書士連合会より)
ただ、報酬額によってサービス内容も異なるケースが多いので、見積もりを取って報酬内でフォローしてくれる内容をしっかりとチェックし決めると安心です。
【 相続登記後に不動産売却☆司法書士報酬の見積もり 】
・報酬額 → 司法書士へ依頼した際の報酬ですが、多くのクライアントは報酬額ばかりに目が行きがちですので、内容を確認するためには、「種別」欄のチェックが重要です。
・種別 → 報酬内でのサービス内容となり、報酬額が高くなる項目として、①戸籍謄本の取得、②相続関係説明図、③遺産分割協議書などを挙げることができます。
(相続登記のみであれば、それだけ司法書士報酬も安くなる傾向です。)
・登録免許税及び印紙税など
このような内容が相続登記をして不動産を売却する際に掛かる、司法書士報酬の内訳です。内容まで確認して料金と吟味し、できれば複数の司法書士に相談をして相見積もりを取ったうえで比較検討をしてみると、判断しやすいかもしれません。
相続登記した不動産を売却する流れ
ここでは相続登記を完了した不動産を売却する際の、一般的な流れをお伝えします。
【 相続登記後、不動産売却の流れ① 】
① 不動産会社に不動産査定の依頼
→ まずは相続した不動産を売却する目安となる評価額を知るために、複数の不動産会社に査定依頼をしてください。
今、相続した不動産売却では、WEBを介した査定もできますが、詳細な金額はやはり不動産会社の訪問査定が確実性が高いです。
不動産会社によって査定額は異なる点にも考慮してください。そのため、相続した不動産の売却前の査定では、複数の不動産会社に依頼して比較検討します。
【 相続登記後、不動産売却の流れ② 】
② 不動産会社と仲介契約を結ぶ
→ 相続した不動産の売却は、不動産会社に販売活動を任せる「仲介」が一般的です。
不動産査定の際にパートナーとなる不動産会社を選定するようにしてください。マンションであれば専有部だけでなく共有部も見ているかなどが選ぶポイントです。
【 相続登記後、不動産売却の流れ③④ 】
③ 査定額をベースに販売額を算出
→ 物件の販売価格を決めるのは不動産会社ではなく売主です。あくまでも不動産の査定額を参考にしながら、販売価格を決めてください。
④ 不動産会社による販売活動
→ 販売活動(チラシなどの広告)は仲介契約を結んだ不動産会社が実施してくれます。
相続した不動産の売却活動は、主に契約した仲介不動産会社が進めますが、内覧の段階では不動産会社任せにせず、部屋の掃除や買主対応など積極的に対応してください。
買主はどんな物件だけでなく、誰から買うかも重視します。
【 相続登記後、不動産売却の流れ⑤ 】
⑤ 買主と契約
→ 買主が内覧して気に入ればいよいよ契約です。仲介契約を結んでいれば契約書作成などは不動産会社がやってくれますが、中身にはしっかり目を通すようにしてください。
また、相続した不動産を売却する場合には、相続登記も費用が掛かる項目ですが、売却時には、仲介契約を交わした場合、販売活動をしてくれる不動産会社に仲介手数料が必要になりますので、コチラも資金計画の考慮に入れてください。
★ 不動産の相続登記に掛かる費用に関しては、別記事「不動産を相続登記するメリット☆登記にかかる費用とは?」でもお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
いかがでしたでしょうか、今回は相続登記をした不動産を売却するための流れをお伝えしました。相続した不動産を売却する時、その順番は相続登記→不動産売却の順番です。
反対に相続登記をしないと不動産の売却はできません。ただ、相続登記をしてしまえば、不動産売却の流れは通常の不動産売却と同じです。
一般的な仲介という方法を取る場合、パートナーとなる不動産会社の選定が重要です。
不動産査定は複数の不動産会社に依頼して、査定額をよく精査するとともに販売活動を任せられそうな不動産会社を探すようにします。
詳しくは別記事「沖縄で不動産査定後の媒介契約☆注意ポイントと3つの種類」「沖縄仲介業者の見極め方☆マイホーム売却のパートナー選び」でもお伝えしていますので、お立ち寄りください。
いつかはやってくる相続ですが、不動産を売却するのであれば、事前におおまかな流れを知っておくことで、慌てずに対応することができるようになります。
今回の記事を参考にしていただき、相続の際に思い出していただければ幸いです。
まとめ
相続した不動産を売却する方法
・不動産売却の前に相続登記が必要
・相続登記の申請は自分でもできるが、手間と時間を省くためには司法書士に依頼することがおすすめ
・相続登記が完了したらまずは複数不動産会社に不動産査定を依頼する
・不動産査定の際には信頼できそうな不動産会社を探す
・信頼できそうな不動産会社と仲介契約を結ぶ
・不動産会社任せにはせず、内覧には積極的に立会う、契約書の内容にしっかり目を通すなど関わるべきところはしっかり関わる