沖縄の木造住宅も火災保険が安く☆省令準耐火構造とは
2020/1/1
沖縄では「木造住宅を建てると火災保険が高い…」と言うイメージは強いですよね。
この数年で沖縄でも木造住宅の新築件数が急激に増えたものの、シロアリや台風対策への技術の進化は、少しずつ知られてきました。
けれども「木材」自体のイメージから、なかなか木造住宅の耐火性については「(RCなどの)他構造の方が安全」と言う感覚を持つ方は多いです。
けれども2000年(平成12年)の建築基準法改正で性能規定されたのを皮切りに、木造の耐火建築物が急激に建ちはじめ、その信頼性は高まりました。
今では「省令準耐火構造」の認定を受けることで、沖縄の木造住宅でも火災保険が安くなるほどです。
そこで今日は、沖縄の木造住宅でもRCと同じように火災保険が安くなる、「省令準耐火構造」と、沖縄木造住宅の耐火対策をお伝えします。
沖縄の木造住宅も火災保険が安く☆
省令準耐火構造とは
「耐火建築物」の木造住宅
「耐火建築物」とは主に構造部分に非損傷性・炎症防止の耐火性能に優れた建築物を指し、建築基準法第2条第1項第9号の2で認められた基準を満たした建築物です。
【 沖縄木造住宅の火災保険☆耐火建築物とは 】
★ …つまり、火災が起きても終了まで持ちこたえる(その大きさによって、修繕することで再利用できる)だけの耐火性を持っている建物で、窓・ドアに至っても延焼しないよう耐火対策が取られています。
→ 西暦2000年(平成12年)まで、木造住宅は耐火建築物に入りませんでしたが、この年に建築基準法が改正され、性能規定化が行われた際、木造の耐火建築物を建てることが出来るようになりました。
…この年を皮切りにして、西暦2004年(平成16年)には、一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会(※)が耐火構造認定を取得し、続く西暦2006年(平成18年)になると、一般社団法人日本木造住宅産業協会でも、耐火構造認定がされています。
このような流れから、一般社団法人ツーバイフォー建築協会が耐火構造認定を受けた西暦2004年度(平成16年)には、木造の耐火建築物が96件のみだったのに対し、(2006年度以降は従来工法も加わり)2016年度には、795件にまで達しています。
(※)「ツーバイフォー」とは「2×4」の意味合いで、2インチ×4インチの木材を組み立てる「木造枠組壁工法」です。昔の家のように柱や梁を軸とするのではなく、壁を箱状に組み立てていきます。
カナダなど海外の寒い地域から輸入した工法で、気密性が高いことが特徴的です。「一般社団法人ツーバイフォー建築協会」は、この建築方法を普及するために産まれました。
一方、後に耐火構造認定を受けた「一般社団法人日本木造住宅協会」は、それ以外の馴染み深い、柱や梁から職人さんが建てるような「木造軸組工法」の建築物の普及が目的です。
2016年度に認定を受けた木造耐火建造物795件の内訳は、ツーバイフォー(2×4)工法が303件、木造軸組工法が492件でした。
「準耐火建築物」とは
ただ公共の建築物など大規模な家屋では「耐火建築物」認定が多いものの、一般的な個人の住居では、その下の概念となる「準耐火建築物」認定が用いられるケースが多いです。
これは一般的な住まいとしての建物の大きさにもより、そもそも「目的」が違うために「準耐火建築物」で充分と言う考え方が主流です。
そのため、沖縄木造住宅の火災保険が安くなる「省令準耐火構造」認定でも、名前の通り「準耐火建築物(住宅金融支援機構の定め)」の性能に準じています。
【 沖縄木造住宅の火災保険☆準耐火建築物 】
★ 「耐火建築物」と「準耐火建築物」の大きな違いは、火災が発生した時、「火災終了まで持ちこたえる」のではなく、「火災が起きても一定時間を持ちこたえられる」建築物であることです。
→ 準耐火建築物では1時間(など一定時間)火で燃やした後、消火後に家屋の変形がなく、火を部屋から出さなかったり、延焼を防ぐ構造が求められます。
…詳しくは下記の「省令準耐火構造とは」の項目で、その条件をお伝えします。
省令準耐火構造とは
現在でも一般的に木造住宅の家屋は、RC構造など他の構造と比べて、購入時に入る火災保険が高い傾向にあります。
これはやはり、木造住宅の耐火性能に対する信頼度が低いために起きますが、沖縄の木造住宅でも火災保険がRC構造の家屋と同じくらいに安く抑えられる方法が、「省令準耐火構造」の認定です。
では、「省令準耐火構造」とは一体、どのようなものなのでしょうか。
【 沖縄木造住宅の火災保険が安くなる「省令準耐火構造」 】
★ 省令準耐火構造の家の条件
① 「各室防火」 … 屋内のひとつの部屋で発生した火災を、一定時間、その部屋から出さない構造
② 「延焼遅延」 … 屋内のひとつの部屋で発生した火が、その部屋から出た場合でも、その延焼を遅延できる構造
③ 「延焼防止」 … 燐家で火災が発生した場合、その火の延焼を起こさない構造
④ 「避難確保」 … 火災が発生した時に避難場所を確保することができる性能
…これらの防火対策ができる構造を備えた家屋が「準耐火建築物」認定をされた家であり、これを公的に認められた構造が「省令準耐火構造」です。
これらの建物は住宅金融支援機構によって認定・承認され、木造住宅ではツーバイフォー、軸組工法の双方で受けることが出来ます。
※ この他にも機構が省令準耐火構造として認めた住宅(プレハブ住宅も含む)であれば、沖縄の木造住宅でも火災保険が安いです。
省令準耐火構造で火災保険はいくら安くなる?
このような事情から、沖縄の木造住宅では火災保険が安くなるよう、工費が割高になっても、最初に省令準耐火構造の家を建てる方が多くなりました。
ただ、省令準耐火構造の家は純粋に耐火対策に信頼性が高いので、沖縄木造住宅を建てるなら、多少割高になっても不可欠とも言えます。
【 沖縄木造住宅の火災保険、どれくらい安くなる? 】
★ 沖縄木造住宅に限らず、火災保険料は「建物評価額」によって変わりますが、目安としては省令準耐火構造によって、60%前後安いです。
→ この他の建物評価額の要素としては、構造の他、オール電化かどうか…、などでも変わります。
沖縄木造住宅に火災対策は不可欠
このように沖縄の木造住宅でも、省令準耐火構造は火災保険料が安くなる大きなメリットがありますが、もちろんそれだけではなく、災害の多い昨今の日本では防火対策は不可欠です。
沖縄でも信頼できる木造住宅専門の業者では、火災保険料に関わりなく、さまざまな防火対策を施しています。
【 沖縄木造住宅の火災保険☆防火対策 】
★ 最も多い防火対策が「普通硬化せっこうボード」の仕様です。
→ 木造部分をせっこうボードで覆うことにより火災から家屋を守るだけではなく、断熱性に優れた家が実現(50%前後)します。
断熱性に優れた家は冷暖房が効きやすく、電気料金などの節約にも役立つ点が魅力です。
RC構造やS構造などでも耐火性は優れますが、木造住宅であれば注文住宅でも割安で建てることができる上、狭小地などでも自在に建てやすい点に人気が集まり、需要が伸びています。
また、減価償却費がRC構造やS構造よりも多く計上できるために、税制を考えての選択も増えました。
いかがでしたでしょうか、今日は沖縄の木造住宅でも火災保険が目安として6割以上安くなることを見込める、「省令準耐火構造」についてお伝えしました。
木造住宅の魅力は、地球に優しく調湿作用があるために、自然の力で暮らしやすいため、人にも優しい…、などなどが挙げられますよね。
ただ、マイホームを購入しようと考えている人々にとっては、何よりもRC構造などよりもコストが安い点がメリットです。
最近の沖縄の木造住宅は、今回お伝えしたような防火技術の向上だけではなく、今まで不安視されてきたシロアリや台風対策に対しても、さまざまな技術の向上や開発が見られ、信頼性が高まっています。
安い上に性能が上がっているため、この数年で急激に沖縄で新築件数を上げている木造住宅は、沖縄でも今後は主流となるのかもしれません。
まとめ
木造住宅でも火災保険が安くなる方法
・「省令準耐火構造」認定により安くなる
・目安として60%ほどの軽減が見込める
・省令準耐火構造は4つの条件がある
・部屋の火を外へ出さない構造
・部屋から外へ出た火の延焼を遅延する構造
・燐家で火災が起きた時、火をもらわない構造
・火災発生時に避難場所が確保される構造
・木造住宅でも耐火対策が進化している