相続した実家がいらないときはどうする?相続放棄と2つの処分方法

2022/5/14

相続した実家がいらないときはどうする?相続放棄と2つの処分方法
「相続することになった実家がいらないけど、どうしよう…。」「相続しても実家を維持できないからいらない(固定資産税の費用がかかる)」と悩んでいる方は、空き家問題が叫ばれる今、意外に多いですよね。

相続した実家がいらない場合でも、不動産財産は所持しているだけで、固定資産税がかかる上に維持・管理の手間があり、相続人に大きな負担となります。

このような事を考えると、「今後、実家を相続したとしてもいらないのでは?」と疑問になるのも当然です。そのため結論から申し上げると、相続した実家がいらないなら、なるべく早く処分をしたほうが良いでしょう。

そこで今回は、相続した田舎の実家がいらない場合、相続を放棄したいケースと、2つの処分法を解説します。
 

相続した実家がいらないときはどうする?
相続放棄と2つの処分方法

 

 

相続した実家がいらない、処分方法

相続した実家がいらない、処分方法
相続した実家がいらない場合でも、家や土地の所有権を放棄することはできません。放棄することで「国に引き取ってもらう」という事もできないので、この点は注意しましょう。

ただ相続した実家がいらない時に、そのまま所有していることで相続人には大きな負担が掛かります。固定資産税は空き家の方が住んでいる家よりも割高ですし、解体して更地にしたらしたで、更に固定資産税は高いです。
 

【 相続した実家がいらない☆所有すると… 】

(1)空き家の方が固定資産税が割高
(2)空き家を解体して更地にすると、さらに固定資産税が高くなる
(更地にするための解体費用にも費用が必要)
(3)敷地内の草木の手入れを怠るなど、近隣住民とのトラブルが発生しがち
(4)築年数の古い空き家を放置すると、どんどん老朽化が進み修理修繕費が必要

 

…などなどの問題が発生します。固定資産税や草木の手入れ、空き地にするにも解体が必要であったりと、労働面での負担はともかく、経済面でも出費が多い点は、多くの相続人が悩むところでしょう。

※ 空き家の維持費や固定資産税については「沖縄で相続した実家は放置状態になっている?固定資産税が高くなるかも!」などでお伝えしています。

そのため相続した実家がいらない場合、「所有権の放棄」以外の解決策を確認していく必要があります。
 

【 相続した実家がいらない☆解決策 】

● 相続した実家がいらない場合、所有権の放棄以外でできる処分方法は、下記の2点です。

(1)寄付する
(2)売却する

 

築年数が比較的新しい(目安としては築20年内)であれば、売却して現金化する方法も良いでしょう。土地だけでも立地が良ければ、更地にして売却する選択もあります。

ただ相続した実家がいらない場合、仲介不動産会社に査定を依頼して販売活動を進めても、思うように売却できないケースが多いのも確かです。このような場合や寄付に値する不動産だった場合などでは、「寄付」の選択肢もあります。

…それでは、以上2つの処分法を以下より解説しますので、ご参考にしてください。
 

寄付する

寄付する
相続した実家がいらない場合は、家や土地を売却するだけではなく寄付もする事ができます。「寄付」と言うと団体や自治体への寄付をイメージしますが、例えば親族や近隣住民、知人などへの寄付も可能です。
 

【 相続した実家がいらない☆寄付をする 】

● そのため相続した実家がいらない場合、「寄付」により解決できるパターンは、以下の3つとなります。

(1)個人への寄付
(2)各自治体に寄付
(3)法人へ寄付

 

「自治体へ寄付してしまえばいいんじゃない?」と言う方もいますが、自治体こそ、固定資産税は貴重な収入源ですので、その不動産が役立つ財産でなければ、寄付自体を受け付けてくれないこともあるでしょう。

そのため本来であれば、親族や知人・近隣住民など、個人で寄付を受けてくれる方々を探す方法を優先すると良いかもしれません。

…それでは、下記より相続した実家がいらない場合、それぞれの寄付の手順を解説します。
 

個人への寄付

相続人自身が相続した実家をいらないのですから、「寄付を受け入れてくれる個人なんて、いなのではないか?」と心配する声は多いですよね。

けれども実は、相続した実家がいらない場合に、1番身近で個人への寄付を受け入れてくれる可能性が高いのは、相続した「いらない実家」に隣接している近隣の方々です。
 

【 相続した実家がいらない☆個人へ寄付 】

● 隣人なら「土地を活用して広い庭を作りたい」「土地を増設して物置小屋を建てたい」など隣人にニーズが生まれます。そのため「個人での寄付」を受け入れてくれる可能性が高いかもしれません。

→ ただ相続人自身もいらない実家を寄付するのであれば、誰も住んでいない空き家をそのまま寄付するのではなく、解体費用などの金銭での交渉が必要になってくるでしょう。

 

また、個人的に寄付すると寄付した相手に「贈与税」が課税され、110万円まで基礎控除があります。家と土地の評価額が110万円以下であれば課税されません。これも近隣の方々へお声掛けをしたいメリットですよね。

ちなみに110万円を越えた場合は、評価額から差し引いた金額に税率をかけ、控除額を差し引いた金額を贈与税として納めることになるでしょう。
 

各自治体に寄付

相続した実家がいらない場合、各自治体によって家や土地の寄付を受け入れてくれるところもあるので、窓口で相談するようにしましょう。

寄付に応じてもらうためには、条件が自治体によって異なってくるので、そこも合わせて聞くと、よりスムーズです。
 

【 相続した実家がいらない☆自治体に寄付 】

● しかし相続人も実家がいらない場合に自治体に寄付をしようとしても、寄付を受け入れてくれない確率も高いです。この点も理解して確認を進めてください。

→ 理由としては「固定資産税が目減りする」「管理費が発生する」の2点になります。

 

「税金を納めているのにも関わらず、なぜ引き取ってくれないんだ!」と憤る声もしばしば見受けますが、固定資産税は市町村が課税する税金です。言い換えれば固定資産税が自治体の貴重な財源にもなり得ます。

このような事情から、実際にはわざわざお金がかかるようなことを、各自治体も引き受けたくはないでしょう。

このような事情から、相続した田舎の実家がいらな場合、自治体が寄付に応じてくれること自体、可能性的が低いと考えられます。この点は理解して進めると良いでしょう。
 

法人に寄付する

法人に寄付するといっても、営利法人と公益法人の2つに分かれていますが、寄付をするのであれば公益法人がオススメです。

営利法人の場合は、不動産を取得した際に発生する家や土地の不動産所得税や登録免税のほか、法人税を支払わなければなりません。

利用目的ない上に費用が発生するとなると営利法人は受け入れてくれないので公益法人を選択すると良いでしょう。

それでは、次に売却する方法を解説します。
 

売却する

相続した実家がいらない場合、寄付以外にも売却する方法もあります。上記でも寄付ができないかもしれない「個人・各自治体・法人」ではなく売却を検討してみましょう。
 

【 相続した実家がいらない☆売却 】

● 売却する上で2つの方法があるので以下をご覧ください。

(1)不動産会社に仲介を依頼し個人に売却する
(2)不動産会社に直接買い取ってもらう

 

以上の2つを解説します。

不動産会社に仲介を依頼し個人に売却する

不動産会社に仲介を依頼し個人に売却する
相続したいらない実家を売却するのに様々な手段がありますが、「不動産会社に仲介を依頼し個人で売却する」ことで比較的高く売れる見込みがあります。

ただ、買い手が見つかるまで時間がかかってしまう事がデメリットになるので注意しましょう。
 

不動産会社に直接買い取ってもらう

上記以外でも不動産会社に直接買い取ってもらう方法もあります。

不動産会社が直接買い取ることで比較的早い段階で売れますが、その分買取金額か個人に比べて値段が下がってしまうことでしょう。

次に、いらない実家の相続を放棄するケースを解説します。
 

いらない実家の相続放棄する

いらない実家の相続放棄する
相続が発生した時点で実家がいらないと事がわかっているならば、相続放棄を検討しましょう。

相続放棄では、「相続した実家はいらないから、土地だけ相続したい」ということはできないので注意が必要です。あくまで、全ての財産を相続するか、放棄するかの2択になります。
 

【 相続した実家がいらない☆相続放棄 】

● そこで今回は、3つの相続放棄するケースをご紹介します。以下をご覧下さい。

(1)相続の際、金融資産が500万円以下
(2)相続財産全体に占める不動産評価額の割合が大きい
(3)売却の見込みがない

 

… それでは順に解説していきます。
 

相続の際、金融資産が500万円以下

相続した実家がいらない場合、不動産を含め、貯金や現金・株式など相続額が500万円以下の場合は、相続放棄したほうがいいでしょう。

実家を相続したとしても10年〜20年で固定資産税や管理費用で500万円程度だと無くなってしまう恐れがあるからです。

これらを考えると、維持をするだけで家計が圧迫しかねないでしょう。
 

相続財産全体に占める不動産評価額の割合が大きい

相続した実家がいらない場合に、不動産評価額が相続財産全体の2割を越えているならば、相続を検討した方がいいでしょう。

相続財産全体の2割を占めていると、維持管理費のみで金融資産がなくなってしまう恐れがあります。
 

売却の見込みがない

相続した実家がいらない場合、売却する見込みがないならば、金融資産に関わらず近隣への売却や不動産会社に売却価格の査定を依頼する様にしましょう。
 
 

いかがでしたでしょうか、今回は相続した実家がいらない場合、どのように対処すれば良いのか…、相続放棄以外にも可能性のあるいくつかの選択肢をお伝えしました。

相続した実家がいらないのにムリをして所有していても、割高な固定資産税の他、維持管理の費用がかかってしまい、相続人の大きな負担になりがちです。

そのため、相続した実家がいらないのに維持して費用がかさむくらいなら、「誰かに寄付したほうがいい!」と思う方もいるでしょう。その時は近隣住民の方々に相談すると、最も寄付がしやすいです。

また、相続した実家がいらない場合に各自治体への寄付も叶わず、かと言って売却見込みが立たないケースでは、不動産会社に直接買い取る方法もあります。

不動産会社の買い取りサービスは、売却額よりも8割ほど安く見積もるケースが多いですが、維持費がかさむよりも良いかもしれません。困った時には検討してみてはいかがでしょうか。

※ 不動産買取りについて、詳しくは別記事「沖縄で不動産会社の買取サービスを利用☆メリットデメリット」でお伝えしていますので、コチラをご参照ください。
 

 
まとめ

いらない実家を相続した場合の対処法

● 寄付をする
・自治体へ寄付
・故人へ寄付
・団体へ寄付

● 売却をする
・仲介を依頼し個人に売却する
・不動産会社に買い取ってもらう

● 相続放棄
・金融資産が500万円以下
・相続財産全体に占める不動産評価額の割合が大きい
・売却の見込みがない

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