沖縄の実家を相続することに!空き家を更地にして売却するのは損じゃないの?
2022/2/5
沖縄で空き家の実家を相続すると、売却するにしても更地にするのか、更地にするとコストも掛かるけど…、迷う方も多いですよね。
「【沖縄の実家相続】空き家の売却なら3年以内がお得な理由」などでお伝えしたように、3年以内に相続した実家を売却すると、特別控除の特例が適用しますが、そのためには空き家を更地にして売却しなければなりません。
沖縄で空き家の実家を相続し、実費で更地にしなければならないと、リスクが気に掛かるところです。今回は実際に沖縄の空き家(実家)を相続し、更地にして3年以内に売却した体験談を元に、そのリスクを検証します。
沖縄の実家を相続することに!
空き家を更地にして売却するのは損じゃないの?
空き家を更地にする時に不安なこと?
沖縄では実家を相続しても、空き家のまま放置するケースも少なくありません。
「【沖縄の実家相続】空き家の売却なら3年以内がお得な理由」などでお伝えしたように、沖縄でも実家を相続し、3年以内に売却をすることで3,000万円もの特別控除特例が適用することを考えると、不思議に思う方も多いですよね。
【 沖縄で実家を相続☆3,000万円特別控除の条件 】
● と言うのも、沖縄で実家を相続した際、売却時に3,000万円の特別控除特例が適用するには、空き家を取り壊し更地にして売却しなければならないためです。
→ また、3,000万円の特別控除の適用期間は3年間ですので、沖縄では実家を相続すると、早々に売却活動を始める事例が増えました。
※ 詳しくは別記事「【沖縄の実家相続】特例の3年間は、要件と数え方に注意!」をご参照ください。
ただ実際に沖縄の実家を相続すると、更地にする時にリスクや不安を感じて、躊躇する事例も多いのです。
【 沖縄の実家を相続☆更地にする時のリスクや不安とは 】
● 例えば、下記のようなリスクや不安の相談事例は多くあります。
(1) 更地にすると固定資産税が高くなるのでは?
→ 空き家のまま放置している場合と、更地にして放置した場合では、固定資産税が(更地にした方が)上がってしまう!
(2) 更地にするのは実費!
→ 実際に売却できるか分からないのに、自費で更地にするのはもったいないのでは?
(3) 更地にしても売却できるかどうか分からない!
→ 実費で更地にしたものの売却できなかったらどうしよう…。固定資産税も高くなるし、更地にしたコストを取り戻せない。
…などなどの声です。
けれども沖縄で空き家の実家を相続し続けたとしても、メンテナンス費や固定資産税が延々と掛かり続けるだけです。
しかも3年以内に売却できなかったら3,000万円までの特別控除特例の適用から外されますので、確実に3,000万円特別控除特例を享受したいのであれば、沖縄で空き家の実家を相続したら、速やかに売却活動のステップへ進んだ方が良いでしょう。
そのため、更地にする不安は少しでもクリアしておきたいところです。
※居住用以外の不動産を所有していると、空き家であっても居住用よりも高い固定資産税が掛かります。詳しくは別記事「【沖縄にある実家の相続】空き家相続に掛かるお金とは」などをご参照ください。
更地にすると6倍弱の固定資産税が掛かる?
沖縄の実家を相続した人々が心配する、「更地にすると空き家のままの状態よりも、6倍弱の固定資産税が掛かる」とのリスクは確かにあります。
3,000万円特別控除特例が適用する沖縄の実家を相続したと言うことは、いずれも築年数の古い家屋となりますから、多くは家を除却(解体して更地にすること)したとしても、評価額は変わらないケースがほとんどです。
これを基にして、同じ評価額で沖縄で実家を相続し、そのままにした場合の固定資産税と、更地にした場合の固定資産税を比較してみましょう。
【 沖縄の実家を相続☆更地にした場合の固定資産税、具体例 】
(1) 200㎡以下の住宅用地で、評価額700万円、更地評価額70%に課税された場合
→ 空き家がある場合、固定資産税の計算式は、200㎡以下の住宅用地を想定すると「評価額×1/6×1.4」で導き出すことができます。(※)
● 700万円×1/6×1.4%=約1.63万円
(2) 200㎡以下の住宅用地で、評価額700万円の場合
→ 更地の場合、固定資産税の計算式は、200㎡以下の住宅用地を想定すると「評価額×7/10×1.4」です。
● 700万円×7/10×1.4%=約6.86万円
… 今回の評価額は1,000万円以下でしたので6倍弱まではいかずとも、約4.2倍の固定資産税が掛かる計算になります。
そもそも実費で空き家を解体するとなると、解体費用も掛かる訳ですから、実費で解体した上に固定資産税が掛かるとなると、さすがに躊躇してしまうのも頷けますよね。
(※)空き家が建つ200㎡以上の住宅用地の場合、計算式は変わります。(評価額×1/3×1.4)ただし、更地の場合は計算式は変わりません。(評価額×7/10×1.4)
実際に売却活動に踏み切った体験談
けれども沖縄で実家を相続した後、思い切って早々に売却活動に踏み切った体験談では、「想ったほどリスクは少なかった」との声が多いです。それは何故なのでしょうか。
その背景には、買い手も空き家の解体を必要としていることにあります。3,000万円の特別控除が適用する空き家は築年数で言えば30年以上…、リノベーション目的(※)の方々は増えましたが、そのまま住もうと考えている買い手はまずいません。
【 沖縄の実家を相続☆現状有姿売買 】
● このような不動産の売買を「現状有姿売買(げんじょうゆうしばいばい)」と言います。名前の通り「現状のまま売買する」ことを差し、多くは買い手が購入後に解体をしなければなりません。
→ 築年数が長い空き家が建つ土地の場合、空き家の価値はゼロとして換算され、解体が必要な分、安く売却されることになります。
※ 反対に言えば、買い手は解体工事費用も込みで購入を検討しているので、すでに更地になった土地であれば、その分高くなっても購入したい買い手が多いのです。
なかには買い手を決めてから売買契約期日までに、売り手が解体工事を済ませる条件で売却交渉が進むケースもあり、買い手が決まっているなら尚更リスクは少なくなります。
【 沖縄の実家を相続☆自治体のサポート 】
● 時期や自治体によってさまざまですが、近年では沖縄の実家を相続した場合の空き家対策をそれぞれに講じている場合もあるので、住んでいるエリアの自治体に確認してください。例えば…、
・ 空き家の解体費用を補助
・ 更地による固定資産税アップに猶予期間を付ける
…などなどです。
実は、自治体にとって固定資産税は重要な収入源ですが、近年では沖縄の実家相続問題に関わらず、全国的に空き家問題がそれほど深刻化してきました。今後も新しい対策を講じるかもしれません。
それぞれの自治体でもさまざまなサポートを見受けますので、確認をしてみると良いでしょう。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で実家を相続した後、更地にすることで固定資産税が掛かるリスクを、実際に売却活動のステップに進んだ体験談とともにお伝えしました。
数字で見ると確かに固定資産税は高くなりますし、解体費用も実費で掛かりますが、その分買い手が想定する購入価格も変化しますので、全体的に見るとリスクになりにくいことも分かります。
固定資産税が何倍も掛かる!解体費用は実費で更地にしなければならない!などの理由で、売却活動を躊躇している方は一度、仲介不動産会社に査定から相談をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
空き家を更地にするのは損じゃないの?
・3,000万円特別控除特例では更地で売却が条件
・更地にする解体費用が掛かる
・更地にすると固定資産税が何倍も掛かる
・買い手も購入後に解体をする想定で探している
・更地になっていれば、それだけ購入額も高くなる
・自治体で解体費用の補助をしているケースもある
・自治体で固定資産税猶予をしているケースもある
(まずは自治体に確認)
・全体的に見ると損にはならなかった体験談が多い