離婚の準備とは?いくら貯金が必要?切り出す前に整理したい5つのこと

2023/4/1

離婚の準備とは?いくら貯金が必要?切り出す前に整理したい5つのこと
・離婚前にに必要な準備とは?
・離婚する時、貯金はいくらあればいい?
・離婚前に知っておくことは?

 
「人生は計画通りにいかない」とよく言われますが、結婚生活においても同じで、時には不測の事態に直面することもあります。
離婚の準備を怠っていると、思わぬトラブルに見舞われることもあります。
 
そこで本記事では、離婚の準備が不可欠な理由から、離婚を決意したときに必要な5つの準備を解説します。
 
防衛策を講じることで、自分の将来を守るための重要な情報を得ることができるでしょう。
 

 

離婚の準備(1)理由を明確にする

離婚の準備(1)理由を明確にする
◇なぜ離婚するのかを明確にすることは不可欠です
 
そうすることで、経済的・精神的コストを意識できるだけでなく、正しい方法で離婚を計画するきっかけになります。離婚が避けられない理由を明らかにすることで、正しい決断を下すことができるようになります。
 

・不貞行為
・経済的苦境
・相性の悪さ
…など。

 
これらの各問題を評価する際には、なぜ結婚を辞めることにしたのか、資産と負債の分割方法について、自分自身とパートナーに正直に話すことが重要です。
 

離婚準備:法定離婚事由とは

◇法定離婚事由がない場合、相手が承諾しないと離婚できない場合があります
 
「法的離婚事由」とは、民法上において離婚訴訟できる正当な5つの理由です。離婚を決断するに至るには、「性格の不一致」など、法的離婚事由に至らないものも多くあります。
 

<5つの法定離婚事由とは>
・不貞行為
・悪意の遺棄
・3年以上の生死不明
・回復の見込みがない強度の精神病
・その他婚姻を継続しがたい重大な理由

 
悪意の遺棄」とは、「夫婦間の義務に不当に反すること、正当な理由なく夫婦間の義務を履行しないこと」とされます。(民法770条1項2号より)
 
夫婦関係が破綻することを分かっていながら、家に帰らないケースなどが、その一例です。
 

5つの法定離婚事由については、下記コラムをご参照ください。
離婚裁判とは?離婚ができない時は?離婚訴訟5つの法定離婚事由とは

 

離婚準備:別居期間も想定する

◇法定離婚事由に当らず離婚できない場合、別居期間を設けます
 
離婚理由が法定離婚事由に当らず、相手が離婚に同意しないからと言って、離婚できない訳ではありません。
離婚できない、離婚訴訟ができない場合は、別居をする方法が適切です。
 

別居により約3年~5年で、離婚が認められるケースがあります

 
法定離婚事由「その他婚姻を継続しがたい重大な理由」として、離婚訴訟が認められますが、別居期間は有利に離婚が進むよう、注意も必要です。
 

離婚前の別居については、下記コラムをご参照ください。
離婚前に別居するケースとは?期間やメリットデメリット、別居の注意点

 

離婚準備(2)経済状況を把握する

離婚準備(2)経済状況を把握する
◇現在の経済状況を把握する
 
自分の経済的利益を守るために、資産や負債など、現在の経済状況を常によく理解しておく必要があります。
 

<離婚前に準備したい、財産の把握>
・パートナーの経済状況を調べる
・不動産価値を確認する
・家具や車などの有形資産を整理する

 
誰が何を手に入れるかについて決定を開始する必要がありますので、予め家や家具・車などの資産価値も調べます
 
離婚準備では査定をして、家の価値を具体的な数字で確認することも大切です。
住宅ローンが残っている場合、残金とのバランスにより、離婚時の対処も変わってきます。
 

住宅ローンを残した離婚については、下記コラムに詳しいです。
離婚で住宅ローンはどうなる?誰が支払う?離婚前に確認する3つのこと

 

離婚準備(3)生活費の確保

離婚準備(3)生活費の確保
◇離婚して最初に直面するのは、別居する資金です
 
離婚して大きな経済的困難に直面しないよう、現金や流動資産で緊急資金を準備しなければなりません。
 

<離婚前に準備したい別居資金>
●約100万円~300万円を確保したいところです。
・引っ越し費用
・賃貸契約費用
・当面の生活費(3ヶ月~6ヶ月)

 
離婚の準備がないまま話し合いをすると、離婚が長引くため、離婚前の別居も有り得ます。
 
専業主婦では難しいところもありますが、水面下で少しでも節約や働く準備を進め、当面の生活費を確保できると良いでしょう。
 

離婚の準備(4)離婚条件を整理する

離婚の準備(4)離婚条件を整理する
◇離婚後の自分の生活を守るために、必要な離婚条件を整理します
 
感情的なまま突発的に離婚を切り出してしまうと、離婚調停に進んだ時に「ともかく離れることができれば良い」と不利な条件で承諾してしまうことにもなり兼ねません。
 

<離婚前に整理したい請求項目>
・財産分与
・慰謝料
・養育費
・助成金
・婚姻費用
・年金分割

 
「婚姻費用」とは、結婚生活において生活費をもらっていない、もしくは離婚前に別居したケースで請求できる生活費です。
 
相手の収入が自分よりも高かった場合、家庭裁判所で活用される算定表に基づき支給されます。
 

※離婚により請求できる費用項目については、下記をご参照ください。
離婚によって請求できる5つのお金とは?慰謝料はどんな時に請求できる?

 

離婚の準備(5)子どもについて

離婚の準備(5)子どもについて
◇離婚準備の段階で子どもについて整理し、親権者や養育費を有利に進めます
 
子どもがいる離婚では準備段階で、離婚後の親権や子どもを育てるための養育環境を整えなければなりません。
 

<子どもについての離婚条件を整理>
・親権者
・養育費
・面会交流

 
特に親権争いが起きそうな離婚の準備では、離婚理由を整理して、有利になる証拠を揃えるとベターです。
 
例えば、浮気やDVであれば、日記やテープ、浮気相手とのメールのやりとりなど、調査会社や弁護士に相談して水面下で動くこともあります。
 

※離婚で有利になる証拠集めについて、下記コラムに詳しいです。
離婚を有利に進める証拠集めとは。浮気やモラハラ、パターン別に解説!

 

子どもの親権

親権者を決める時、子どもの意思を尊重するとされますが、裁判所が親権者を決めるに当たり、子どもの意思を聴取すると法律で定められているのは、15歳以上です。
 
一方、子どもがいる離婚で両親が別居に至った時点での子どもの年齢の割合は、下記となります。
 

・3歳未満…11.9%
・3歳~6歳…19.9%
・小学1年~3年生…15.7%
・小学4年~6年生…16.7%
・中学生…13.7%
・中学卒業後…22.1%

 
[参考]
令和3年公益社団法人商事法務研究会「未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務」より
 
ですから、離婚に伴い親権を持ちたいのであれば、親権を得るだけの条件を整えるよう、離婚準備は不可欠です。
 
子どもの親権は、経済力も判断材料になりますが、それ以外にも、子どもへの愛情や、親とともに子どもの面倒を見てくれる「履行補助者」の存在など、さまざまな条件が絡みます。
 

子どもの親権に関しては、下記コラムをご参照ください。
離婚すると親権はどうやって決まる?母親が親権を取れないことはある?

 

 

離婚後の生活を守る準備をしよう

離婚後の生活を守る準備をしよう
離婚を決意したら、準備を水面下で進めながら冷静になることが先決です。
 
モラハラやDVなどであれば、離婚前でもすぐに別居する選択もありますが、離婚成立まで同居する夫婦も少なくありません。
 
浮気が原因で離婚を切り出す場合には、咄嗟に別居してしまうと、別居中に証拠を隠滅されることもあります。
 
相手にとって離婚を切り出されることは辛いことです。
冷静に落ち着いて話ができるタイミングで、相手を責めずに進められるよう、離婚準備を整えてから、切り出してみてはいかがでしょうか。
 
 

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