沖縄に多い生前贈与3つの種類☆相続税対策に効果的な非課税枠と注意点
2022/3/5
沖縄では生前贈与を相続税対策として選ぶ方々が増えていますよね。「生前贈与」な名前のまま、財産を生前に贈与することを差し、その種類や贈与の仕方によっては非課税枠も生じる方法です。
今すぐ現金にはならない不動産財産が多い一方、土地評価額が全国的にも高い沖縄では、生前贈与によって相続税支払いの負担を少しでも軽減してあげたいと考える親が多いのも頷けます。
今回は相続税対策に効果的として、沖縄で多く選ばれる生前贈与の3つの種類についてお伝えしますので、どうぞ立ち寄ってみてください。
沖縄に多い生前贈与3つの種類☆
相続税対策に効果的な非課税枠と注意点
沖縄で生前贈与が広がる理由
沖縄では生前贈与を行うことで、相続財産を減らすことができる(比例して相続税負担が軽減する)ために、多く利用されるようになりました。
ただ沖縄で生前贈与をした場合でも、受贈者(生前贈与を受けた側)は税務署へ申請をして、「贈与税」を支払わなければなりません。
【 沖縄で広がる生前贈与の非課税枠 】
● けれども沖縄で多く用いられる生前贈与は、非課税枠の特例が設けられた3つの種類が一般的です。非課税枠が設けられた生前贈与は、下記3点です。(2022年3月時点)
(1) 暦年贈与 … 子どもや孫の名義で新しく口座を作り、そこへ毎年少しずつ振り込み(貯金)をしていきます。非課税枠は毎年110万円ですが、ここでの注意点は「名義預金」との相違です。詳しくは後ほどお伝えします。
(2) 教育資金贈与 … 30歳未満の孫やひ孫へ、祖父母が教育資金を援助した場合、支払い先や支払い寳保によって、500万円~1,500万円の非課税枠が生じる点がポイントです。コチラも詳しくは後述します。
(3) 住宅取得等資金贈与 … 成人以上の子どもや孫が、居住用住宅を新築する時、親や祖父母が資金援助をした場合の生前贈与は、住居の種類によって500万円~1,000万円の非課税枠特例の適用が可能です。
…相続税対策として役立つ、沖縄で人気の生前贈与はこの3種類ですが、住宅取得等資金贈与などはもともと特例としての位置づけです。
2021年に改めて改正されたものの、沖縄で人気の他の生前贈与も含めて、非課税枠(金額)などは変更される可能性も高いため、常にチェックしながら計画的に進めると良いでしょう。
このように、沖縄ではこの非課税枠による生前贈与の選択が一般的ですが、同時に非課税枠を超える生前贈与であっても、親や祖父母としては、生きている内に無事に税金を払えたことを目の前で確認できる安心感も一因にあるのかもしれません。
暦年贈与は名義預金との違いに注意
毎年110万円の非課税枠と金額的には少ないものの、両親や祖父母の「毎年子ども達のためにお金を少しでも残したい」と言う想いと一致するとともに、沖縄では少額の生前贈与としては手軽な方法として広がりつつあるのが、暦年贈与です。
近年では超高齢化社会に突入し、口座を開設してから毎年110万円の非課税枠だとしても、「塵も積もれば山となる」と言うように、気が付けば高額の生前贈与になる可能性も願い、暦年贈与を始める方も少なくありません。
「長生きの秘訣」「老後の生きがい」と位置付ける声も多く聞こえるように、長生きの指標としても沖縄では人気の生前贈与です。
ただ、暦年贈与は名義預金との違いを明瞭にして、受贈者(贈与を受ける側)が「これは私の財産です!」と相続発生時に正しく主張できる状態でなければなりません。
【 沖縄で生前贈与。暦年贈与と名義預金の違い 】
● 子や孫の名義で新規口座を開設することは同じなのですが、名義預金では一度に多くの金額を振り込み(貯蓄)、そのままお金を動かすことなく貯蓄しているケースです。
→ 一方、暦年贈与は毎年少しずつ貯蓄されるのが特徴となります。(そのため一年の非課税枠は110万円)
今、相続税において税務署は名義預金の申告漏れを最も注意していますから、ちょっとしたことで、暦年贈与も名義預金として扱われてしまった相談は多いです。
そこで、せっかく毎年少しずつ子どものために貯蓄した暦年贈与を、名義預金と捉えられないためのポイントがいくつかあります。
【 沖縄で生前贈与。暦年贈与を主張するポイント 】
● 名義預金と暦年贈与を大きく分けるポイントは、毎年少しずつ贈与された形跡が残ることです。そのため、敢えて下記のような行動をすることで、暦年贈与として解釈されることが多い傾向にあります。
(1) 口座のお金を回す(使う)… 受贈者が自分の財産だと主張するために、被相続人の生前から、少しでもお金が動く口座にする方法です。
(2) 贈与税を支払う … 毎年110万円以内は贈与税の非課税枠ですが、時々敢えて120万円の贈与申請をして、10万円分の贈与税を支払うことで、受贈者は自分の財産だと主張できます。
…などなどの方法がありますので、生前から受贈者(子や孫)と相談をして、相続発生時に名義預金と間違えられないよう、区別をハッキリとさせてみてはいかがでしょうか。
沖縄に多い生前贈与。教育資金贈与
大きな財産を一度に贈与したい場合は、教育資金贈与も向いています。教育資金贈与は支払い先によっては、1,500万円まで一括で贈与をしても、非課税枠が適用するためです。
ただし教育資金贈与の非課税枠は特例扱いですので、現状でどのようになっているか、その都度確認した方が良いでしょう。ちなみに2023年3月までは、現状の教育資金贈与の非課税枠が適用します。
けれども沖縄で生前贈与に教育資金贈与を選んだ場合、その支払先によって非課税枠が1,000万円も変化するので注意をしてください。
【 沖縄で広がる生前贈与。教育資金贈与 】
● 沖縄で生前贈与に教育資金贈与を選んだ場合、直系尊属ですので直属の孫・ひ孫(30歳以下限定)へ、祖父母が資金援助をした場合に限ります。
→ 教育機関に直接支払う形で資金援助をした場合は、1,500万円までの非課税枠が適用しますが、教育機関に直接支払う訳ではない(両親など)場合、非課税枠は500万円までです。
※ ですから例えば、孫の大学進学時に祖父母が教育資金贈与を行うのであれば、祖父母が直接大学へ振り込んだ方が、贈与税の非課税枠が広がることになります。
ちなみに沖縄で生前贈与として教育資金贈与を行う場合、信頼できる金融機関を選んで新規口座を開設し、そこへ一括でお金を入れます。(そこの口座を通して教育資金を振り込んでください。)
その金融機関で税務署申告まで依頼をすることで、スムーズに非課税枠の申請ができるでしょう。
沖縄に多い生前贈与。住宅取得等資金贈与
今、沖縄で最も多い生前贈与が、住宅取得等資金贈与ではないでしょうか。
この住宅取得等資金贈与も非課税枠は特例として扱われ、過去に何度か延長されてきましたが、非課税限度額など、延長に伴い改正も行われていますのでご注意ください。
特に2021年に決定された延長に伴う改正では、中古住宅取得に対する援助資金について、非課税枠が撤廃されました。
沖縄では新居に対する生前贈与が多いですが、コチラに関しても延長決定に伴う改正では、非課税枠が縮小されています。
【 沖縄で広がる生前贈与。住宅取得等資金贈与 】
● 成人以上の子どもや孫に対して、直系尊属である親や祖父母が資金援助をした場合、贈与税の非課税枠特例の適用限度額は下記です。
(1) 省エネ住宅やバリアフリー住宅、耐震性住宅などの性能住宅の場合、1,000万円までの資金援助に対して、贈与税の非課税枠が適用。
(2) その他の一般住宅に対して、500万円まで贈与税の非課税枠が適用。
… 改正前(2021年12月31日まで)は性能住宅に1,500万円までの非課税枠が適用したのに対して、改正後(2022年1月1日~2023年12月31日まで)は性能住宅に1,000万円までの非課税枠しか適用しません。
また2022年以降で注目したいポイントとしては、「成人以上の子どもや孫」と言う点ではないでしょうか。
世間でもニュースに上がっているように、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これに伴い、18歳以上の子どもや孫が新築住宅を購入した場合でも、沖縄で生前贈与として資金援助をすると、それぞれの住宅に対応する非課税枠が適用します。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で多い生前贈与3つの種類と注意点やポイントについてお伝えしました。
最後にお伝えした住宅取得等資金贈与に関しても、信頼できる金融機関で専用口座を設けて、一括で資金援助を行いながら、生前贈与の申請を行うと良いでしょう。
贈与税は一般贈与と直系尊属からの贈与(両親や祖父母から子や孫へ)により、また贈与金額により税率や控除額が変わりますが、基本的な贈与税の計算式は「(贈与財産-基礎控除額110万円)×税率-控除額」で求めます。
贈与額や贈与先で違う税率や控除額に関しては、「Keisan」などでも紹介されていますので、コチラをご参照ください。
ここで計算をしても分かるように、贈与税もそれなりの金額が掛かりますので、上手に非課税枠を利用して、沖縄で生前贈与による相続税対策を進めてください。
まとめ
相続税対策に役立つ3つの生前贈与
・暦年贈与
・教育資金贈与
・住宅取得等資金贈与