離婚を有利に進める証拠集めとは。浮気やモラハラ、パターン別に解説！

・離婚が有利になる証拠集めとは？
・離婚理由別、役立つ証拠とは？
・DVやモラハラによる、離婚の証拠は？

離婚は相応の理由と証拠がない場合、夫婦双方の合意がないと離婚自体が成立しないケースがあります。また離婚裁判では客観的な証拠が不可欠です。

本記事を読むことで、離婚を切り出す前に証拠集めをして、有利に離婚を進めることができます。
 

 

離婚で証拠集めが必要な理由とは

◇離婚前に証拠集めをしておくことで、離婚調停や離婚裁判を有利に進めます

「離婚前に水面下で証拠集めなんて、姑息な真似をしたくない！」との声もありますが、離婚は離婚後の生活が掛かるシビアな問題です。

こちらが争うつもりはなくても、相手が離婚の証拠集めをしていた場合、真実とは違っていても、こちらが不利になるケースもあります。
 

 
また離婚前に証拠集めをしないまま、離婚を切り出すことは危険です。
特に離婚前に別居をする場合、証拠が別居中に隠滅されることもあるでしょう。

この他「離婚の証拠」ではありませんが、財産隠しがあった場合、財産分与で損をすることにもなり兼ねません。
 

離婚の証拠「有責配偶者」とは

◇「有責配偶者」とは不倫など、離婚の直接的な原因になった側の配偶者です

有責配偶者は、配偶者に精神的苦痛を与えた上に、さらに離婚を請求することが難しいとされます。そのため配偶者の合意がない限り、離婚が成立しない傾向です。

多数ある離婚の一例では、本当は相手が有責配偶者であったのに、離婚請求で証拠が充分ではなく、自分が有責配偶者とされた事例もあります。
 

 
離婚前の別居は、夫婦同意でなければなりません。
婚姻関係にあるなか、一方的に別居を強行してしまうと、「悪意の遺棄」と捉えられてしまう危険があります。

「悪意の遺棄」とは、婚姻関係が破綻することが分かっていながら、配偶者を放棄したことを差し、離婚訴訟が認められる5つの「法定離婚事由」のひとつです。
 

離婚理由が不倫の証拠は？

◇不倫による離婚の証拠は、肉体的関係を証明しなければなりません

「不倫」の定義については人により違いますが、離婚における不倫の証拠は、配偶者と不倫相手が肉体関係にあったことが、客観的に判断できる証拠が必要です。
 

 
離婚の証拠集めと言えば不倫ではありますが、個人が行うと住居不法侵入など、犯罪行為とみなされる事態も少なくありません。

また慣れないため離婚の決定的な証拠を集める前に、相手が気付いてしまうことにもなり兼ねないので、金銭的に余裕があれば探偵や調査会社へ依頼すると便利です。
 

離婚理由がモラハラの証拠は？

◇モラハラは離婚の決定的な証拠が難しいですが、日記やメモ、それを補填する細かな証拠も役立ちます

モラハラも不倫による離婚の証拠と同じく、音声記録や動画などが役立ちますが、長期間の無視など、音声や動画では証明しにくいものも多いです。

このようなモラハラを「サイレントモラハラ」と言います。
そこで離婚の証拠として提出されるのが、下記のようなものです。
 

 
モラハラの場合、本人がモラハラをしている自覚がないことも少なくありません。
そのため、相手のSNSをチェックすると、モラハラ発言をしていたり、何気ないSNSやメールのやりとりから、モラハラにより離婚の証拠を確認できます。
 

離婚理由がDVの証拠は？

◇DVによる離婚の証拠は、暴力をした時の動画や音声記録が決定的です

DVは実際に暴れますから、サイレントモラハラに比べると離婚の証拠を集めやすい一方、いつ起こるか分からないため、常時記録できる準備が必要になります。

置き時計型やペン型など、隠しカメラも多数販売されていますが、もしも見つかった時にDVがエスカレートするため、なかなか行動に踏み切れない人も少なくありません。
 

 
DVが離婚理由の場合、証拠を集めることは慎重に行うべきです。
日記記録を残すのであれば、SNSなどに残して相手が辿ることのないよう、スマホなどに残すべきではありません。

子どもも残っているならば、相談できる施設で相談しながらまず別居をして離婚準備に備えることを優先しても良いでしょう。
 

「悪意の遺棄」が離婚理由の証拠は？

◇家出や生活費を入れないなど、悪意の遺棄を離婚理由とする場合、その状況が客観的に推察される証拠を集めます

「悪意の遺棄」とは、婚姻関係が破綻することが分かっていながら、家出をする、同居を拒否する、生活費を入れないなど、結婚生活の放棄です。
 

 
悪意の遺棄にはさまざまなものがありますが、客観的に推察できる証拠を細かく集めましょう。

また同居を拒む場合、不倫や浮気の可能性もありますので、並行して調査してみると良いでしょう。
 

離婚が性格の不一致での証拠

◇離婚理由が生活の不一致である場合、相手が合意しないと離婚自体が成立しない可能性もあります

性格の不一致だけでは決定的な離婚理由にはなりません。

そのため民法で離婚訴訟が認められる5つの「法定離婚事由」のなかのひとつ、「婚姻を継続し難い重大な事由」となるよう、離婚を求める証拠を集めます。
 

 
当人は性格の不一致だと認識していても、ケンカなど日常の記録を証拠として残し、弁護士など法的な立場の第三者へ開示すると、「モラハラだった」「DVだった」などのケースは意外に多いです。

また極端な育児放棄も、悪意の遺棄と捉えられることがあります。
そのため最初から諦めずに、違和感を感じている生活の一部を証拠として細かく残すことも一案です。
 

性格の不一致で離婚できない場合

性格の不一致を理由に離婚をする場合、相手の合意がなければ、夫婦合意の元で別居に踏み切ることが多いです。

別居後、約3年～5年で「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められる夫婦が多いでしょう。

ただし別居理由や別居中の不倫は浮気が発覚した場合、有責配偶者として離婚申請が認められなかったり、慰謝料が請求される可能性があります。
 

どのような離婚理由でも証拠を細かく集めましょう

離婚を決意したら、証拠は日常的に細かく集めておくことが得策です。
反対に感情的になって、離婚の証拠集めが終わっていない内に切り出してしまうことは、離婚後の生活に良い影響を及ぼしません。

「分かっていても離婚の証拠が見当たらない！」「探偵や調査会社に支払うお金はない！」と言う声もあります。

このような場合でも、離婚を決意した時点から、日々の日記記録や補填するレシートや写真など、自分で収集できる証拠を細かく積み上げると良いでしょう。

必要がなければ捨てるだけですから、「もしかしたら」と思ったものは、離婚の証拠として集めてください。