除籍謄本ってなに?相続人が除籍謄本を取るための、4つの手続きとは
2022/10/7
「除籍謄本」とは、戸籍に記させている在籍している人が、いなくなった状態の戸籍を役所に発行してもらう書面の手続きのことです。
戸籍には、結婚、離婚、死亡、本籍地変更など、通常なら戸籍に記されていますが、誰もいない状態を証明する書類が相続時に大きく関わってきます。
今回は「除籍謄本」の基礎知識と、この除籍謄本の手続きが、相続にどのように関わってくるかを解説します。
除籍謄本の基礎知識
そのため除籍謄本では、戸籍の中に入っている人が、結婚、離婚、死亡、本籍地変更などで誰もいなくなった状態(全員いない)戸籍の写しが渡されます。
相続の際に、被相続人の出生や死亡までのすべての戸籍謄本、除籍謄本などを集める時に必要になります。
戸籍謄本と除籍謄本の違い
●戸籍謄本と除籍謄本の違いは、戸籍の中に記載されている人がいるか、いないかで判断すると、分かりやすいです。
(1)戸籍謄本…戸籍に記載されいる全員の身分を証明する書類
(2)除籍謄本…戸籍に誰もいないことを証明する書類
ではなぜ相続手続きの過程で、この除籍謄本が必要なのでしょうか。
それは「亡くなったことを証明する」する書類が欲しいためです。
除籍謄本が必要なケースは?
相続財産によって異なりますが、以下の場合に除籍謄本が必要になるケースがあります。
(1)被相続人の銀行、預金を相続
(2)被相続人の保険金を相続
(3)不動産登記を行う時
(4)車、有価証券の名義変更時
(5)全員が本籍地を移す
相続する際に、除籍謄本は必要不可欠なものなので、調べて取得しておくことをオススメします。
除籍謄本を取るための4つの手続き
それでは、除籍謄本を取るための4つの手続きをご紹介します。
以下をご覧ください。
(1)窓口で請求する
(2)郵送で請求する
(3)委任して代理人に頼む
(4)専門家に依頼する
最近では戸籍関係の書類をコンビニで取得することもできますが、除籍謄本に関してはコンビニでの手続きはできませんので、注意をしてください。
基本的に本籍地の区市町村役場で取得しますが、窓口に行けない場合には、郵送での書類のやり取りができます。
除籍謄本の取得は、戸籍に記載されている人
除籍謄本は、基本として戸籍に記載されている人しか取得できません。
また除籍謄本の目的によっては、市区町村役場まで足を運んでも、除籍謄本の取得が拒否されるケースがあります。
①対象人物(この場合は被相続人)の配偶者
②対象人物の直系尊属
・父母
・祖父母
③直系卑属
・子ども
・孫
となりますが、相続手続きを目的とした場合に問題はありませんが、例えば離婚歴の調査など、対象人物の調査を目的とした場合には、以上のような立場の人でも、取得できないことがあるでしょう。
除籍謄本の取得に掛かる費用
除籍謄本の取得に掛かる費用自体は、約750円/1通ほどですが、郵送費などは別途、それぞれの自治体によって違います。
●除籍謄本関係
・除籍謄本…750円
・除籍抄本…750円
・除籍全部事項証明書…750円
・除籍個人事項証明書…750円
※郵送料や手数料などは別途、自治体により異なる
●戸籍謄本関係
・戸籍謄本…450円
・戸籍抄本…450円
・戸籍全部事項証明書…450円
・戸籍個人事項証明書…450円
※郵送料や手数料は別途、自治体により異なる
以上が除籍謄本を取得する手続きに関する費用ですが、手続きが大変なため、弁護士や行政書士と言った専門家へ依頼する人は多いですよね。
専門家へ除籍謄本の取得のみを依頼するのであれば、事務所によって費用幅はありますが、約3千円/1通ほどが目安です。
(1)窓口で請求する
窓口で除籍謄本の取得をするためには、戸籍の名欄に記載がある人(本人として請求)が可能です。
●本籍地のある役所で申請し、その場で受け取ることができます。
また、発行手数料が750円かかるので、ご自身の身分証明書と、被相続人の関係がわかるもの(戸籍謄本など)を持参するようにしましょう。
(2)郵送で請求する
郵送で請求する場合も、戸籍の名欄に記載がある人(本人として請求)が可能です。
本籍地が遠い場合の時に、郵送もできるので大変便利ですね。
●こちらは、750円分の定額小為替が必要です。
…また、郵送なので返信用封筒の中に切手も入れ、除籍謄本申請書と身分証明書、被相続人との関係がわかる戸籍謄本などを入れて送付するようにしましょう。
郵送で申請する場合、返送される期間は数日間以内に届くと思われます。
(3)委任して代理人に頼む
仕事や郵便局に行っている暇がない場合は、除籍謄本の申請を代理人に行うってもらうことも可能です。
●ただし、代理人になる前に委任状が必要です。
…必要な書類と、委任された方の本人確認書類、を提示してください。
代理人なので費用はかかりませんが、何かしらのお返しをすると良いでしょう。
(4)専門家に依頼する
除籍謄本の取得には、かなりの時間が掛かる点は否めません。
しかも除籍謄本に必要な情報が、載っている書類と載っていない書類があり、それぞれ専門的な知識が必要なケースもあります。
除籍謄本を取るには、必要書類を一つ一つ集めますが、面倒な上時間も掛かり、本籍地に行かなければ取得できないデメリットもあるでしょう。
●このように、戸籍謄本の取得や除籍謄本に必要な書類を集めてくれるのが専門家です。
「専門家」とは司法書士や弁護士など、法の専門家を差します。
…とても便利ですが、専門家へ依頼するには相応の報酬が掛かる点も考慮して判断してください。
これらの専門家に委託することで、ご自身が必要な書類を集めることなく、手間がかからずに時間を削減できるでしょう。
仕事で忙しいからそんな暇はない!という方に是非オススメです。
除籍謄本を取得する際の注意点
基本的には、除籍謄本の有効期限はありません。
しかし、それぞれの手続きによっては、有効期限があるものがあるので提出先によって異なってきます。
●例えば不動産を相続した場合、不動産登記を行う必要がありますが、不動産登記に必要な書類に除籍謄本も含まれる、などの事例です。
有効期限がないとはいえ、相続人の戸籍謄本は「被相続人の死亡後に取得したもの」でなければなりません。
それぞれの相続手続きをスムーズに進めるためにも、除籍謄本の取り寄せは、早めに申請をすることをオススメします。
最後に
このように相続手続き時に除籍謄本は、相続人の調査などで必要になってくる書類です。
除籍謄本の取り寄せ自体に期限はありませんが、相続に必要なものなので早めに取得しておくと良いでしょう。
また、時間がない方は、郵送や代理人、専門家に依頼するなどの対処法があるので検討するのも一案です。
専門家に依頼することで手間が省けるだけではなく、書類の取得漏れを防ぐことができたり、その他の相続手続きも任せる選択ができるでしょう。
相続人同士で話し合い、一人に大きな負担が掛からぬよう、良い方法を見つけてください。
まとめ
除籍謄本とは
●「除籍謄本」とは
・除籍簿に記載された謄本
・相続手続きでは、相続人の調査で必要●戸籍謄本と除籍謄本の違い
・戸籍謄本…全員の身分を証明
・除籍謄本…戸籍に誰もいないことを証明●除籍謄本が必要な5つのケース
・被相続人の銀行、預金を相続
・被相続人の保険金を相続
・不動産登記を行う時
・車、有価証券の名義変更時
・全員が本籍地を移す●除籍謄本を取得する4つの手続き
・窓口で請求する
・郵送で請求する
・委任して代理人に頼む
・専門家に依頼する●除籍謄本取得の注意点
・死亡後に取得したもの
・他の手続きを進めるため、早めに申請する