「終活」も広がり、最近の沖縄では相続対策を高齢の両親が積極的に進める家族が増えましたよね。
ひと昔前までは子ども達が両親の死後について話し合うことなど、「縁起が悪い」としてタブー視されてきましたが、今では高齢の両親自体が積極的な傾向です。
沖縄では相続ではなく「継承」ですが、お墓やトートーメー(先祖代々位牌)の問題もあり、子どもに負担を掛けないよう、生きているうちに永代供養を済ませる事例も多く、これをきっかけに相続対策まで終活を進めるケースが増えています。
そこで今回は、高齢の両親が生前に進める、沖縄に多い相続対策についてお伝えします。
高齢の両親が前向きに積極的に沖縄で相続対策を進めることで、家族で明るく話し合う時間が生まれ、成人した兄弟間の仲も良くなり、より沖縄では相続がスムーズに進む事例もありますので、どうぞ参考にしてください。
【沖縄の実家相続】
被相続人(親)が生前にできる対策とは
両親にとって最後の愛
沖縄では相続対策を始めとする「終活」が広がりつつあります。終活は自分の葬儀や遺骨が入る場所などなど、ある程度は「自分のため」に進める部分もありますが、こと沖縄で相続については、子どものために他なりません。
現代では沖縄においても相続は当たり前ですが、よくよく考えると相続する財産は両親が築き上げたものです。
【 沖縄で見る相続対策☆子どもに負担を掛けないように 】
● 終活で見る沖縄の相続としては、下記のような対策を見受けます。
(1) 継承後のタブーや管理負担、経済的負担の大きいお墓やトートーメー(先祖代々位牌)の永代供養。
(2) 遺言書の作成(終活ノートなども含む)。
(3) 実家(不動産)の生前リフォームや測量、抱えている隣家トラブル(境界線など)の解決。
(4) 相続税対策としての生前贈与(教育資金援助・住宅取得資金援助など)
(5) 家族間で集まる機会を設ける
※ 成人して一同に集まる機会が少なくなった兄弟間の仲を深めることで、沖縄で相続時の話し合いがよりスムーズです。
沖縄の相続対策を両親が進めているなら、子ども側はこれが両親にとって子どもへの愛情であることを理解し、感謝をして受け止めてみてはいかがでしょうか。
それだけでも沖縄では被相続者(両親)と相続者(子ども)との溝ができにくく、スムーズな沖縄での相続に繋がる傾向があります。
不動産に掛かる費用は生前に出す
沖縄で相続財産が5,000万円以下の事例では、不動産(実家)を相続するケースが多い傾向です。ですから沖縄では相続税対策として、生前に測量やリフォームなどを済ませてしまうケースが増えました。
【 沖縄で見る相続対策☆生前に実家の修理/修繕 】
● 相続財産が多いほど相続税は掛かるため、生前に両親が実家(不動産財産)で済ませたい修理・修繕やリフォーム、土地の測量などを済ませ現金を支払うことで、それだけ相続税が節約できます。
→ 例えば預貯金の相続財産が5,000万円あったとして、大まかですが相続税は160万円ほど掛かる計算です。(配偶者相続なし、子ども1人相続の場合)
※ そこで実家の修理・修繕やリフォームに800万円掛けた場合、預貯金相続は4,200万円となり、相続税は60万円まで削減できます。(配偶者相続なし、子ども1人相続の場合)
どちらにしろ相続後に子どもが修理・修繕やリフォームをしなければならない場合、この沖縄の相続ケースでは100万円もの差が出てきますから、両親が生前に出してしまった方が税金対策としてベターです。
土地の測量を生前に済ませる
また、沖縄で相続財産を決定する時に必須の作業に土地の測量があります。土地の測量によって不動産価値を見極めて、金額を出すためです。
【 沖縄で見る相続対策☆境界線と土地の測量 】
● ですから相続が発生しなければ本来必要はありませんが、生前に両親のお金で土地の測量も済ませてしまう家族は多くあります。
→ 土地の広さや状況によって価格差はあるものの、一般的な住宅の場合、約50万円~80万円が目安です。道路や水路、国道などに面した実家は高くなる傾向にあります。
沖縄の相続対策で昔ながらの実家の場合、問題になりやすいのが隣家との境界線です。昔に建てられた沖縄の住宅の場合、しばしば隣家との境界線が曖昧なことがありますが、相続財産を決定するには境界線をハッキリさせなければなりません。
この場合には先にリフォームを済ませてしまうのも良いかもしれません。
実家のリフォームで一石二鳥
沖縄では相続税対策として実家のリフォームに踏み切るケースが多いですが、実際に高齢の両親に合わせたリフォームは、暮らしが楽になり一石二鳥です。
最近、沖縄の相続税対策も含めた高齢者世帯での人気リフォームメニューには、全館空調があります。
【 沖縄で見る相続対策☆生前リフォーム 】
● 高齢者の暮らしをより楽にするバリアフリーリフォームはもちろん、将来的に子ども世帯が住むことを見越した水回りの一新も人気です。
→ 人気が高い全館空調は家全体の空調を均一にする機能で、お風呂上りに使用する脱衣所や洗面所、トイレなども急激な温度変化がないため、ヒートショックを予防できます。
沖縄の相続税対策で行われるリフォームでは、200万円~300万円ほどを目安にリフォームを行うこともあり、これをきっかけに二世帯住居にして、同居を始める家族も多い傾向です。
ここでしばしば聞こえる質問に「リフォームをすると相続時に実家の評価額が上がってしまうのでは?(結果的に相続税も高くなるのでは?)」と言うものがありますが、評価額はリフォーム程度では上がらないことが多いでしょう。
【 沖縄で見る相続税対策☆評価額 】
● 沖縄の相続が発生した時の評価額は、「固定資産税評価額(実勢価格×0.7)」ですから、リフォームで評価額が上がる可能性は少ないです。
また、洗濯機や冷蔵庫などの生活で使う家電や家具なども、生前に両親に購入してもらうのも、沖縄の相続税対策に多くあります。
非課税枠がある生前贈与
高齢の両親が生前に行う沖縄の相続税対策としては、生前贈与も多いですよね。「生前贈与」は、被相続者(親など)が生前に相続人(子など)へ贈与して財産分けをします。
生前贈与でも贈与税は掛かるのですが、一部の贈与目的によって非課税枠が発生するため、沖縄では相続税対策として用いられることが多い傾向です。
【 沖縄で見る相続税対策☆非課税枠がある生前贈与 】
(1) 教育資金贈与 … 孫やひ孫への教育資金援助(30歳まで)の場合、規定に倣った贈与を行う、申請をすることで非課税枠に入ります。
(2) 住宅取得等資金贈与 … 子どもや孫などで居住用の住居を購入する時の資金援助の場合、住居の条件に合わせた一定金額まで非課税枠対応です。
(3) 暦年贈与 … 子ども名義の預貯金口座による贈与を差しますが、毎年少しずつ預貯金口座を通して贈与を行う方法です。ただし一年の贈与額など、非課税になる贈与の仕方があります。
…などなど、沖縄では生前贈与による相続税対策は増えました。沖縄に多い贈与税の相続対策については別記事「【沖縄の実家相続問題】相続税を少しでも下げる生前贈与」でも詳しくお伝えしますので、コチラも併せてご参照ください。
トラブルを抑える遺言書
沖縄で兄弟間の相続トラブルが起きるケースでは、特に裁判所の調停までもつれこむケースを見ると、具体的な数字よりは平等性や感情面でのいざこざがもつれることが多いです。
ですから沖縄で両親が生前に相続対策を進めるならば、相続人となる子ども達それぞれに言葉を残すなど、感情面に配慮をすると良いかもしれません。
被相続人(両親など)本人の言葉であれば、相続人(子どもなど)も納得して、意外に沖縄ではスムーズな相続が進むことが多くあります。
【 沖縄で見る相続対策☆遺言書 】
● 行使力のあるのは遺言書ですが、兄弟間で感情面のもつれが懸念されるケースでは、それぞれの相続人(子どもなど)へ手紙を書くなど、より心へアプローチする方法があります。
※ 行使力の強さで並べると、下記のような順番です。
(1)秘密証書遺言書/公正証書遺言書
(2)自筆証書遺言書
(3)終活ノートなど
終活ノートなどはあくまでも自分の意志を伝える手段でしかないので、両親の意向を汲んで相続人が分配することは充分にありますが、法的な行使力はありません。
秘密証書遺言書や公正証書遺言書は行使力がありますが、それぞれ手数料(公正証書遺言書=16,000円/秘密証書遺言書11,000円)が掛かったり、証人(2人)が必要だったりと、遺言書として成立するまでに時間やお金、老職が掛かります。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で見られる相続対策について、特に生前に高齢の両親ができる事柄についてまとめました。
沖縄で相続が発生する時には税理士に依頼する方も多いため、相続税ばかりではなく税理士報酬まで掛かります。
これは売却するつもりのない不動産財産についても評価額に伴う相続税が掛かるため、現金(預貯金)相続がない場合には、相続人(子どもなど)にとっては大きな負担になることも少なくありません。
一方で思い出がいっぱい詰まった実家と言う不動産財産を売却して手放し、現金化することがなかなかできない、売却までに数年掛かるケースは多い傾向です。
両親が生前にできる沖縄の相続対策としては、少しでも相続税を少なくして子どもの負担を減らしたり、兄弟間で話し合いトラブルをなくす、軽減する対策が重視されています。
まとめ
生前に両親ができる相続対策とは
・リフォームや修理・修繕など
・生前に土地の測量を行う
・暮らしに関わる家具家電購入
・非課税枠の生前贈与
・遺言書や終活ノートで意志を残す