沖縄でも実家の相続問題はしばしば聞きますよね。日本は高齢化社会によって相続年齢は60代前半と言われるようになりました。
60代前半になると持ち家がある世帯が多いため、沖縄の実家を相続しても移り住むことなく、空き家になる傾向がありますが、空き家を維持するだけでも固定資産税や管理・維持費と何かとお金がかさみます。
ただ沖縄の実家は相続放棄の選択肢もありますし、相続後もいくつかの選択が可能です。
今回は空き家になりそうな沖縄の実家を相続する際、家族が選択できる大まかな5つの対策をお伝えします。どうぞ参考にしてください。
【沖縄の実家相続問題】
空き家をどうする?5つの対策方法
空き家になる沖縄の実家相続
空き家になる沖縄の実家を相続する側としては、相続した時に掛かる相続税などのお金だけではなく、相続後の維持・管理コストが毎年かさむことも大きな問題です。
では相続放棄をすれば良いのか?と言えばそうとも限らず、沖縄の実家を相続放棄したところで、空き家の維持管理責任は残ってしまうことは多くあります。
そこで空き家になった沖縄の実家を相続すると売却を選ぶ世帯が多いのですが、相続してから2~3年経ってからの売却が多い傾向です。
【 沖縄の実家を相続☆2~3年後の売却が多い理由 】
★ 沖縄で実家を相続した後、多くの世帯で思い出の詰まった実家の売却に踏み切ることができない側面はあります。これが最も大きな理由ですが、こればかりではありません。
(1) 沖縄の実家を相続した場合、売却時に3,000万円の特別控除特例を享受できます。ただし、この特例には期限があります。
→ その期限が、沖縄の実家相続から3年後の年末までです。
(2) 沖縄で実家を相続すると、維持・管理義務が生じますが、住んでいない家をキレイに保つことは容易ではありません。そのため2~3年経つ頃には、下記のような苦情が多く持ち込まれます。
・庭木が茂ってしまい、近隣の家の敷地や公道に入り込んでいる、妨害している。
・庭や家がボロボロになってきて、景観が悪い。
・空き家がたまり場になっている。侵入者がいる。
…などなど。
今、沖縄では実家相続で空き家になった家の管理を請け負ってくれる、警備会社や不動産会社も見受けることができますが、それでも人が住んでいる家のように不法侵入者を24時間チェックすることは難しい状況です。
このような法的側面と苦情などの後押しから、心情的に沖縄の実家を相続しても売却に踏み切ることができなかった人々も、2~3年を経て売却活動を始めるケースが増えています。
※沖縄の実家相続に掛かるコストに関しては別記事「【沖縄にある実家の相続】空き家相続に掛かるお金とは」でお伝えしています。
また、3,000万円の特別控除に関しても別記事「【沖縄の実家相続】空き家の売却なら3年以内がお得な理由」でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
相続税を払えるか、払えないか
昔の家は多くが父親の名義で所有しているため、両親のうち、先に父親が亡くなった場合には母親が相続します。ただ母親は多くがそのまま実家に住み続ける流れがほとんどです。
そのため沖縄の実家相続問題では、多くが両親が亡くなった時に起きます。
そこで最初の分かれ道は、沖縄の実家を相続した時に生じる「相続税をどのように支払うか?」です。
「相続税なんてお金持ちが悩むこと」と考える方もまだいますが、2013年に改正(2015年施行)された相続税法により、基礎控除額がグンと下がりました。そのため2021年現在では「2人に1人が相続税を支払う時代」と言われています。
※詳しくは別記事「【沖縄の実家相続】相続税は2人に1人が払う時代って本当?」をご参照ください。
そのなかで沖縄の実家を相続した場合、まず相続税を支払うことができるのかどうか、で選択肢は大きく変わります。
【 沖縄の実家を相続☆相続税の払い方 】
(1) 実家を売却しなくても、他の手段で支払いができる。
→ 貯蓄や他の相続財産によって相続税の支払いができる場合には、売却以外の選択肢が可能です。他の手段で相続税を支払った後は、相続人を決めてください。
(2) 実家を売却して相続税に充てる。
→ 基礎控除額の引き下げにより相続税を支払う人々が増え、実家を売却しなければ相続税を払えないケースも出てきました。
※ この場合には実家の評価額を査定し、売却か物納か、どちらかよりお得な方法を選んでください。
物納とは相続税をお金ではなく不動産や船舶などの相続財産によって納入する方法です。相続税の支払いを延納した後、それでもお金による相続税の納入が難しいことが認められ、税務署長の許可を得る必要があります。
※物納に関して、詳しくは別記事「沖縄で実家を相続☆相続税の支払いが困難な場合の対策とは」でお伝えしていますので、コチラをご参照ください。
相続税の支払い能力がある場合
沖縄で実家を相続した後、売却をしなくてもすぐに相続税の支払いができる場合には、売却以外にもさまざまな選択肢があります。
まず、沖縄にある実家の相続人を権利者間で決定したら、皆で維持・管理をしなければなりません。近年では不動産会社や管理会社による空き家の管理サービスを利用する方も多いです。
ただそれでも、空き家は苦情が持ち込まれるケースは多々あります。その状況によって、選択肢も変わるでしょう。
【 沖縄の実家を相続☆苦情の有無 】
(1) 苦情がなく、今後も空き家(実家)の管理が可能
・ このまま保留し、兄弟親族が定期的に集まる場所にする。
・ 賃貸として貸し出す。
・ 両親の記念館にする。
(2) 苦情があり、維持・管理が困難
・ 空き家(実家)の売却。
※ 近隣から苦情が来ても、金銭的に維持・管理費に余裕がないと対処ができません。
「記念館」と言う考え方は新しいですが、近年増えた選択肢です。保留とも似ていますが、親の思い出の品を飾るなどして保存します。
ただ、現段階で空き家(実家)の管理ができている場合でも、空き家は維持管理費から居住目的に比べて何倍もの固定資産税まで、何かとコストが掛かるため、今後どれくらい維持ができるかを、改めて確認しておいてください。
兄弟で沖縄の実家を相続し維持・管理している場合は、売却に踏み切るポイント(兄弟の誰かが困難になった時、など)を共有しておくと、後々のトラブルも少ない傾向です。
★ 沖縄の実家を相続し、空き家のまま維持・管理を選んだ場合、前述の理由から3年以内を目安に、売却するか維持するか否かを決断することをおすすめします。
いかがでしたでしょうか、今回は沖縄で実家を相続した後、住まずに空き家になった場合の、5つの選択肢をお伝えしました。
空き家になる沖縄の実家相続の場合、後々は売却をするケースが多いですが、相続税の申告期限が10カ月であることも忘れないようにしてください。
ただ10カ月の期限付きで売却活動を進めることは、なかなか難しいです。そのため不動産売却契約まで相続税の建て替えなど、いくつかの対策があるので、まずは沖縄で実家相続をしたら不動産会社へ査定依頼をして、評価額を確認することをおすすめします。
仲介不動産会社ではなくとも査定をお願いすることはできますが、その場合には料金が発生しますよね。
仲介不動産会社で売却相談をすることで、その後の選択がどのようになったとしても、無料で査定を受けることができますから、まずは仲介不動産会社へ相談をしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
空き家を相続する時、5つの選択肢
●相続税を払える場合
(1)管理・維持ができる
・管理をしながら現状維持
・両親の思い出の品を保管する(記念館)
・賃貸として貸し出す(2)管理・維持が難しい
・売却
●相続税を支払えない場合
(1)売却
(2)物納