夫婦共働きの家庭では、注文住宅をペアローンで建てることで、より理想的なマイホームを実現するケースは多いですよね。
自由度が高く人気が高いものの、割高になりやすい注文住宅などに多いペアローンとは、夫婦共働きなどそれぞれに安定した収入がある場合、それぞれ別の住宅ローンを組む方法です。
夫婦共働きであれば、注文住宅をペアローンを利用して建てることで、どちらか一方が住宅ローンを組む場合よりも、たくさんの金額を借り入れることができる点が大きなメリットではないでしょうか。
多くのケースで一般的な住宅ローンで審査が通らず、注文住宅をペアローンによって資金を得ることができた…、などの流れが多いです。
このように、夫婦共働きの家庭において、理想のマイホームが実現するため、注文住宅でペアローンを利用できると、とてもありがたいのですが、一方で、リスクを減らし賢く利用するためには、いくつか注意点も存在します。
そこで今回は、理想の注文住宅を建てる時、ペアローンを利用する場合の注意点についていくつかお伝えします。
一人の住宅ローンでは希望の家が実現しないなどの理由で、注文住宅をペアローンで建てる計画があるのならば、どうぞご参照ください。
注文住宅をペアローンで建てる☆
資金計画の注意点とは?
諸費用が二倍かかる
注文住宅をペアローンを組む上で注意する点の一つ目は、諸費用が二倍かかることです。夫婦二人がそれぞれに住宅ローンを組むと考えてください。
【 注文住宅をペアローンで建てる時の注意点① 】
① 住宅ローンを組む際には、夫婦がそれぞれに住宅ローンを組むことになりますから、それぞれの契約で不動産会社や金融機関に対して手数料を支払わなければなりません。
→ また、登記に関する手数料や登録免許税などがかかりますが、コチラも夫婦二人分のコストが掛かります。
注文住宅をペアローンを利用して建てる場合、住宅ローンもそれぞれに二つ組むことになりますので、これらの諸費用も二倍になるのです。
しかし、これは単純に金額が二倍になるというわけではありません。
【 それぞれの機関で違う計算方法を確認する 】
☆ 請求される機関によって手数料や税率の計算方法は異なる点にも注意をしてください。
→ 利用する金融機関で、どの程度のコストがかかるのか事前に確認しておくと、より安全な資金計画を立てることができます。
手数料や税金などの諸経費は「たいしたことない」と考える方もいるのですが、購入する金額は一般的にそれぞれ何千万と大きな金額になるため、その金額に基づいた諸経費もコストが掛かりますので、どうぞ資金計画前に把握をしてみてください。
生活スタイルが限定される
ペアローンを組んで注文住宅を建てる場合、注意点の二つ目は生活スタイルが限定されてしまうという点です。
ここでの資金計画のポイントは、住宅ローンが一般的に20年や30年かけて完済すると言う点です。この20年・30年にどのような生活の変化が予想されるのか…、夫婦でライフプランニングを立てながら話し合う必要があります。
【 ペアローンで注文住宅を建てる注意点② 】
② 夫婦それぞれが住宅ローンを組むペアローンで注文住宅をたたる場合、20年後や30年後も今と同等か…、もしくはそれ以上の収入の安定して得ている必要があるからです。
→ 例えば、新婚の共働き夫婦がペアローンで注文住宅を建てる場合、下記のような生活の変化が考えられます。
・ 子供ができて仕事を辞めることになった
・ 産後一時的に職を離れる
… このような状況になった場合、多くが妻側の収入が激減することになりますが、妻が組んだ住宅ローンの返済は続く点が注意点です。
「妊娠しても仕事はギリギリまで続けるから大丈夫!」「産後すぐに職場復帰する!」などの声も聞こえますが、今健康な人でも妊娠をすると妊娠中毒症などで、自宅安静になるケースもあります。
また、子育て・家事・仕事の両立は始めてみなければ分からない部分も多いです。そのため事前の計画通りには進まない事柄も起き得るとして、余裕を持った資金計画を進めてください。
【 ペアローンと一般的な住宅ローンのリスク 】
① 一般的な住宅ローンの場合
→ 夫が職を失ったり収入が減ったりした場合は、妻のパートやアルバイトでサポートすることができました。
② ペアローンで注文住宅を建てた場合
→ 夫婦それぞれに返済の責任があるため、返済が困難になった時の対処が難しくなりがちです。そのため、どちらか一方が職を失ったり休んだりすることはできなくなります。
特に、ペアローンで注文住宅を建てる場合、子供が増える予定の家庭では将来の働き方に関して十分考慮しなければなりません。
その対策のひとつとして、妻は産休や育休が十分に取れて、産後復帰がしやすい職場に勤める方法があります。
さらに、転職や起業を考えている方は注意が必要です。収入が減ったり、一時的に0になったりした場合でも返済責任は生じているからです。
万が一の際に全額補償されない
ペアローンで注文住宅を組む場合の注意点の三つ目は、万が一の際に住宅ローンの全額は補償されないという点です。
一般的な住宅ローンの場合、万が一住宅ローンを組んだ夫(若しくは妻)が死亡した場合、「団体信用生命保険」という制度によって、残りの住宅ローンが全額返済されています。
この制度は、夫や妻の死別で生活に困窮したり、返済ができなくなったりする家庭を減らすための措置ですが、ここでペアローンで注文住宅を建てた場合には、「夫婦がそれぞれに住宅ローンを組んでいる」ことを意識しなければなりません。
【 ペアローンで注文住宅を建てる注意点③ 】
③ しかし、ペアローンで注文住宅を建てた場合には、住宅にかかるローンの全額は補償されません。
→ 夫婦それぞれが別の住宅ローンを組んでいるため、補償対象になるのは死亡した方の返済責任のあったローンのみです。
※ なので、ペアローンでの注文住宅の場合、自分が組んでいた住宅ローンは引き続き返済し続ける必要があります。
夫や妻の死亡は収入の変動だけでなく、二人で協力し合って担ってきた子育てや生活環境を大きく変える要因です。
そんな大変な時に、ペアローンで注文住宅を建てたことによって、住宅ローンが残ってしまうことは、家計に大きな負担となるかもしれません。
返済の負担が大きい
ペアローンで注文住宅を組む場合の注意点の四つ目は、返済負担が大きいことです。
【 ペアローンで注文住宅を建てる注意点⑤ 】
⑤ ペアローンを利用して注文住宅を建てることによって、通常の住宅ローンよりも多く借り入れすることができますが、一方で、その分の返済額も多くなることは意識をしてください。
→ 借入額も双方の収入を見越した可能額から出ていますので、一般的な住宅ローンよりも家庭の経済としては余裕が少ないです。
※ そのため、離職や退職などの予想外の出来事で、万が一完済できなくなると、一般的な住宅ローンよりも返済が大変になる傾向にあります。
だからこそ、ペアローンでの注文住宅プランニングは、よりあらゆるパターンを想定した、十分な資金計画がポイントです。ある程度の収入が安定して得られる自信が無い場合は、ペアローンを組んで注文住宅を建てることは慎重に進めてください。
いかがでしたでしょうか、今回はペアローンを組んで注文住宅を建てる際の注意点についてお伝えしました。
ペアローンは理想的な注文住宅を建てたい共働き夫婦にとっては嬉しい制度ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。
ただ、必ずしも夫婦で借入金額いっぱいに融資を受ける必要はありませんので、夫婦でライフプランニングと照らし合わせながら、余裕を持たせた資金計画を立てることがポイントです。
ペアローンで注文住宅を建てる他にも、一人で住宅ローンを組んで、もう片方が保証人になるなどの方法で借入額を増やす方法もありますので、あらゆる可能性から最も適した方法を、賢く選んでください。
☆ 一般的な住宅ローンによる資金計画については、「沖縄の住宅ローン☆シュミレーターで見える3つの数字」や「沖縄の住宅ローン☆借入金額と返済期間の決め方」なども参考にしてください。
まとめ
ペアローンで注文住宅を建てる時に注意をするポイントとは
・手数料や税金が二倍かかる
・子育てで仕事を離れたり仕事を辞めたりすることが難しくなる
・夫婦どちらかが死亡しても全額補償されない
・大きな金額を借りる分十分な資金計画が必要