不動産の売却に掛かる諸費用☆税金や手数料を解説
2020/12/3
不動産の売却をする経験は、一般の方々であれば、一生に何回も経験するものではありませんよね。けれども日本の税金制度は世界的にも複雑だと言われています。
それだけに、不動産売却にかかる税金や諸費用というのは、なかなか分かりづらいと感じる方々も多いのではないでしょうか。
けれども不動産の売却を進める時こそ、税金制度をよく理解することで、事前に想定して不動産の売却額を決めること、残すことができますから、売却後に苦労することがありません。
今回は、不動産売却を考えている方に向けて、売却の際にかかる税金や手数料についてできるだけシンプルに解説していきます。
不動産の売却に掛かる諸費用☆
税金や手数料を解説
【税金編】譲渡所得税
不動産を売却する際にかかってくる税金は全部で4つあります。それぞれ簡単に解説していきます。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金編①譲渡所得税 】
① 譲渡所得税(所得税・住民税・復興所得税)
→ 不動産売却の際にメインとなる税金が所得税と住民税、復興所得税を合わせた総称である譲渡所得税です。
☆ 譲渡所得税 = 所得税(15%)+住民税(5%)+復興所得税
ちなみに譲渡所得税は、不動産を売却して出た利益について課税される仕組みになっています。
住み替え(※)不動産を購入した金額から、売却した金額を引いた金額が譲渡所得という所得になりますので、住み替えによる不動産売却で収入が生じなかった場合には、譲渡所得税も発生しません。
この譲渡所得に対して、前述したように所得税(15%)と住民税(5%)に復興所得税が入りますので、若干高くなりますがだいたい20%の税金がかかってきます。
ただし、不動産売却に掛かる譲渡所得税に関して、その不動産を所得してから5年以内の売却ケースに関しては注意をしてください。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金①-1 】
★ 不動産を売却する時、その不動産を所得してから5年以内の場合には、発生する譲渡所得税が約40%へ上がります。
→ 所得後5年以内の譲渡所得税 = 所得税(30%)+住民税(9%)+復興所得税
…これは政府が短い期間で、土地売買を繰り返すことを抑えるために制定された税制です。
ただし、前述したように譲渡所得税はあくまでも不動産売却によって得た収入に対して掛かるものですので、少しでも譲渡所得税を少なくするためには、仲介不動産会社へ支払った手数料など、経費をキチンと計上することを忘れないでください。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金①-2 】
★ ですから、不動産の売却をして収入を得た翌年には、確定申告をします。
→ 確定申告は毎年2月から受付を行い、3月頃に支払うことになりますので、この時まで支払いができるだけの現金を手元に残すことも大切です。
ここでは概要についてだけご紹介しますが、実際は譲渡所得税については諸費用の取り扱い・特例や特別控除・建物については減価償却など、さらに細分化して考える必要があります。
【税金編】その他の税金
以上の譲渡所得税が不動産の売却で掛かる最も大きな税金ですが、この他にも不動産売買手続きを進めていくと、さまざまな細かな税金が発生しますので、こちらも併せてご参照ください。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金②印紙税 】
② 印紙税
→ 不動産売買を行ったという証拠である契約書に対して、印紙税という税金がかかります。
★ 売買金額によって1,000円~60,000円まで決められている制度です。
売買契約書1通につき課税され、契約書に印紙を貼り付けることで納付となります。通常は売主・買主ともにそれぞれ保管しますので、それぞれ印紙税が必要となると覚えておきましょう。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金③登録免許税 】
③ 登録免許税
→ これはローンを組んでいる不動産を売却する際に限られる税金です。
★ 不動産を売却する際にローンを一括して完済することで、不動産についている「抵当権」を外すことになりますが、その手続きにかかる税金を登録免許税と言います。
※ 一つの不動産につき1,000円と決められていますが、土地と建物は別不動産とカウントされますのでその際には2,000円になりますので、注意をしてください。
基本的なことですが、不動産は住宅ローンを支払っている段階では、支払いが滞った時に融資をしている金融機関がその住宅を差し押さえすることができるよう、抵当権を課していますので、住宅ローンを完済しなければその不動産は売却できません。
今まで住んでいた家(不動産)を売却して、新しい家を購入する「住み替え」で住宅ローンが残っている場合には、まとめて住み替えローンを組みなおし、現在支払っている住宅ローンを完済させることで、抵当権を外します。
【 不動産売却に掛かるお金☆税金④消費税 】
④ 消費税
→ 不動産の売却において個人間の売買については、基本的には消費税はかかりません。
★ しかし、仲介手数料や司法書士に払う報酬といった手数料部分については消費税がかかってきます。
消費税に関わる不動産売却に関する注意点としては、売買する不動産が事業用不動産である場合、建物について消費税がかかる点です。居住用不動産については消費税がかからないと覚えておくと良いでしょう。
【手数料編】
不動産の売却に掛かる手数料については、ローンが残っているかどうかや、手続きを依頼するか自分で行うかによって少し変わってきます。
【 不動産売却に掛かるお金☆手数料①仲介手数料 】
① 仲介手数料
→ 不動産の売却に掛かる手数料で、一番大きな金額になるのが仲介手数料です。
★ 仲介手数料については法律で計算式が決まっており、売却金額が400万円を超える場合は「売却金額×3%+6万円」となっています。
例えば4000万円で不動産を売却した場合は、「4000万円×3%(120万円)+6万円」となり、126万円の仲介手数料です。
そして不動産売却時の仲介手数料には、先述の消費税も掛かる点にも注意をしてください。そのため、消費税まで計算すると総額は138万6千円となります。
【 不動産売却に掛かるお金☆手数料②住宅ローン返済手数料 】
② 住宅ローン返済手数料
→ こちらは不動産を売却する際に、住宅ローンが残っている場合に限られます。
★ 金融機関に対して、ローンを一括して売却するための手数料が必要になってくるためです。
各金融機関によって手続き方法・金額がそれぞれ違いますので、ご自身が借りている金融機関に確認をすると良いでしょう。
手続き方法については主に窓口・電話・インターネットでの申し込みがあります。金額については様々ですが、5,000円程度~30,000円程度が主流です。
【 不動産売却に掛かるお金☆手数料③抵当権抹消費用 】
③ 抵当権抹消費用
→ こちらも住宅ローンが残っている方が対象になります。
★ 住宅ローンを完済したら自動的に抵当権が消えるわけではありませんので、自分で手続きを進めてください。
ローン完済時に金融機関から弁済証書などの抵当権抹消にかかる必要書類がもらえますので、そちらをもって抹消手続きを行うことになります。
個人で抵当権抹消手続きを行う場合は1,000円の登録免許税のみで済みますが、手続きが煩雑であることから司法書士へ依頼する場合がほとんどです。
司法書士への依頼費用は5,000円~20,000円程度が相場となっています。
★ 不動産の売却で気になる「オーバーローン」に関しては、別記事「沖縄の住み替えでオーバーローンにならない3つのポイント」でも詳しくお伝えしていますので、こちらも併せてお立ち寄りください。
いかがでしたでしょうか、今回は不動産を売却する時に掛かる税金や手数料など、ざっくりとまとめてしまいがちな諸費用について、詳しく解説をしました。
数字で見ると数パーセントと小さく見えるものも多くありますが、実際の買い物が大きな額ですので、予め資金計画に入れておかなければ、後々痛手にもなり兼ねませんので、どうぞ諸費用まで意識した資金計画を立ててください。
確かに、経験すること自体が少なく分かりづらい不動産売却にかかる諸費用ですが、基本的には大きな金額になるものは法律で決まっています。
騙されるのではないか、と心配になるかもしれませんが、分からないものは分からないと不動産会社に伝えて教えてもらうことがうまくいく秘訣です。
まとめ
不動産売却でかかる手数料・税金を解説
☆税金編
・譲渡所得税
・印紙税
・登録免許税
・消費税
☆手数料編
・仲介手数料
・住宅ローン返済手数料
・抵当権抹消登記費用