旅館業への投資が沖縄で目立つようになりました。民泊ブームが過ぎ、沖縄では一般的な一戸建てを一棟丸ごと貸切る「戸建て貸し切り旅館」が増えていますよね。これらも、旅館業のひとつです。
また、コロナショックで延期になったものの、2013年の東京オリンピック招致によって、民泊ブームに拍車が掛かったものの、2018年の民泊新法の施行により、法律に沿うことができずに撤退してしまった家を、旅館業へ転用する例も増えています。
そこで今日は、民泊から旅館業への投資へ沖縄でシフトチェンジした背景をお伝えした「民泊から旅館投資へ流れる沖縄☆戸建住宅の活用法①」に続き、旅館業へ投資する沖縄の現在と、アフターコロナでの活用法をお伝えします。
民泊から旅館投資へ流れる沖縄☆
戸建住宅の活用法②
民泊で活躍した「Airbnb」
民泊ブームで大活躍したツールが「Airbnb」です。少しでも民泊ビジネスを考えたことがあるのなら、言うまでもないかもしれません。
「Airbnb」はインターネットの宿泊施設紹介サイトです。「Airbnb」の魅力は、個人でも気軽に登録できるため、「より安くて良い」宿泊施設を探すことができる点にあります。
ひと昔前までは旅行業者や広告、旅行本をチェックして旅行パックや、宿泊施設を探したものですが、宿泊施設に限らず、今ではネット検索が主流ですよね。
ただ、2018年に民泊新法が施行され、法整備が整うまでは、登録の手軽さから、いわゆる「ヤミ民泊」が多く登録され、「グレーゾーン」と呼ばれた時代もありました。
もちろん、2018年の民泊新法施工後は、「Airbnb」も該当物件を削除しています。
【 旅館業投資へ流れる沖縄☆「Airbnb」の飽和 】
☆ 他にも宿泊施設を仲介するサイトはありますが、「Airbnb」は一般でも簡単に登録することができるため(※)、個人ビジネスが主流の民泊施設が豊富です。
→ けれども民泊ブームを受けて「手軽に」登録できてしまう「Airbnb」は、毎年倍々のペースで登録施設が増えたため、登録しても「埋もれてしまう」現象が起きました。
先述したように、2018年の民泊新法の施工の後「Airbnb」によるチェックが入り、該当物件が削除されると、約6万件のうち1.2万件まで落ち込みました。
それでも、民泊施設以外も気軽に登録できる「Airbnb」は、今でも旅館業種からホテル、民泊施設(簡易宿泊所やゲストハウス)まで、多くの安くて魅力的な宿泊施設が飽和状態で連なっています。
ですから、これから「Airbnb」に登録しようとなれば、それなりのseo対策を取って試行錯誤しなければ、なかなか検索トップまで浮上しません。
ニーズは民泊から戸建て貸し切り旅館へ
一方、多くの宿泊施設を紹介するサイトは、掲載する責任も伴うために、旅館業許可が下りている宿泊施設を主に紹介する方法が一般的です。(そのため、個人の民泊オーナーは「Airbnb」で営業していたとも言えます。)
そう考えると、最初に旅館業の営業許可を得るまでは手間暇も掛かりますが、一度旅館業の許可が下りてしまえば、「Airbnb」に拘らずとも、複数の旅館紹介サイトに登録することができ、堂々と宣伝・営業ができます。
掲載までのハードルが高い分だけ競争もより少なく、検索者の目にも留まりやすい点も、嬉しいポイントです。
【 旅館業投資へ流れる沖縄☆旅館業法の改正 】
☆ しかも、民泊新法の施行と同時期の2018年、旅館業法も緩和に向けて改正され、個人の小規模な宿泊施設にとって、許可が下りやすくなりました。
→ 顕著な例では、以前は人の出入りが常にチェックできるよう、フロントの設置が不可欠でしたが、2018年の改正緩和以降、「簡易宿泊所」においてはフロント設置の義務がなくなっています。
この他にも、戸建て旅館では難しい「5部屋以上」の枠も外され、より旅館業の許可が下りやすくなりました。
このような流れを受けて、今まで民泊ビジネスを検討してきた個人層が、空き家や古民家のリノベーション、戸建て一棟購入による、「戸建て貸切り旅館」投資へと、沖縄でも潮目が変わったことは確かです。
ウィズコロナの今だからこそ
さて、この「戸建て貸し切り旅館」への投資は、コロナ後の沖縄でも、さまざまな業務形態への融通性に期待が集まっています。
まず、賃貸アパートなどへの不動産投資を選ぶと、一か月単位の契約縛りがありますが、旅館業は数週間の宿泊も可能になる訳です。…つまり、ウィークリーマンションのように、中期・長期バケーションにも対応できます。
さらに、戸建て貸し切り旅館へ投資する場合、沖縄旅行が「家族単位」で完結するため、「コロナ対策」にもなる訳です。
【 旅館投資へ流れる沖縄☆コロナ後のニーズ① 】
① 数週間~数か月まで融通のきく旅館業では、一時的なリモートワークの職場や映像配信のスタジオとしての貸し出しも可能です。
今後はリモートワークが定着化する企業も多いと言われるなか、「リモケーション(ワーケーション)」と呼ばれる、バケーションとワーキングを兼ね備えた、中期・長期旅行も増えると言われます。
【 旅館投資へ流れる沖縄☆コロナ後のニーズ② 】
② 国内移動や入国規制緩和後の、家族単位での中期・長期バケーション
→ 戸建て貸し切り旅館の旅行者にとってのメリットは、その宿泊施設内で接触する人間が家族や仲間のみになることで起きる、コロナ感染リスクの軽減です。
…この他にも、一時的な飲食施設としての貸し切り(個別の部屋で密に対応できる)や、飲食業の宅配拠点としてのニーズも出ています。
このように旅館業への投資は沖縄でのあらゆるニーズに柔軟に対応できる位置であることも、注目される理由です。
ターゲットを意識したリノベーションもアリ
また、コロナショックにより地価が落ち着いた今、安い空き家を購入してリノベーションし、旅館にする投資方法も(沖縄を含め)起きています。
入国規制緩和は続いているものの、潜在的にはインバウンドニーズが高いと読まれ、特にアジア圏の裕福層をターゲットにした、戸建て貸し切り旅館業投資へと、沖縄ではシフトチェンジしている節があります。
【 旅館投資へ流れる沖縄☆ターゲットにより違う形態 】
① アジア圏の裕福層(インバウンド)がターゲット
… この層では欧米風の新築の「清潔感」「ラグジュアリー感(特別感)」のある戸建てに人気が集まっています。
② 沖縄は国内裕福層からも人気がある
… 古民家や空き家物件をリノベーションして、「沖縄らしさ」を全面に押し出した旅館が人気です。
最後に、コロナショック後は、安い賃貸物件にも需要が集まっているため、ゲストハウスやシェアハウス型の簡易宿泊施設も、注目されはじめました。
いかがでしたでしょうか、今日は民泊ブームから旅館業投資へ流れる沖縄事情と、コロナ後の旅館業投資への、沖縄の兆しをお伝えしました。
長く続いた沖縄の地価上昇もコロナショックで落ち着くと読まれる今、海外から多くの人々が、旅館の投資へ沖縄でも流れていますが、一方で沖縄県内では、戸建て住宅を購入したり、中古物件をリノベーションして旅館業を始める例が増えています。
詳しくは別記事「戸建てを旅館業に転用☆不動産投資の新しい形」でお伝えしていますので、コチラも併せてご参照ください。
まとめ
沖縄で旅館業への投資へ流れる背景とメリット
・「Airbnb」は登録数が多く埋もれやすい
・旅館業許可を得ると、他の仲介サイトも利用できる
・旅館業法が緩和された
・簡易宿泊所においてフロントが必ずしも必要なくなった
・改正後、5室以上の部屋を確保しなくても許可が下りる
・戸建て貸し切り旅館のニーズが高まった
・コロナ後は、中・長期旅行の増加も予想される
・コロナ感染リスクを減らす家族単位の宿泊施設
・アジア圏裕福層対象ならラグジュアリー感がポイント
・国内旅行者なら、沖縄らしさがポイント